研究課題/領域番号 |
19H02330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中江 研 神戸大学, 工学研究科, 教授 (40324933)
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研究分担者 |
角 哲 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90455105)
山本 一貴 福山大学, 工学部, 講師 (90533977)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 近代建築 / 労働者住宅 / 産業都市 / 住居法 / 住宅改良 / 住宅政策 / ジードルンク / 社会住宅 / 官営企業 |
研究開始時の研究の概要 |
第一次大戦の敗戦により、当時のドイツは極度の住宅困窮に陥った。そしてそれを克服しようとする過程で、主に労働者階級向けに先進的で実験的な住宅の提案や建設が行われた結果、当時建設されたベルリンの集合住宅は世界遺産ともなっている。 本研究は、そうしたドイツの試みに着目し、20世紀前半期ドイツにおける労働者向けの大量の住宅供給に関して、実践としての住宅建設、それをもたらした住宅政策、その背景としての思想・思潮の史的連環を明らかにすることを目的とする。また、そうした試みの日本への影響についても分析・考察を行う。
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研究実績の概要 |
2021年度は,山田守著『ジードルンク』(1933)に関して,これまでの分析をもとに,同書で用いられた「参考書」について考察し,成果発表を行った。また, 近代建築史・住宅史上で重要な国際会議であるCIAM(近代建築国際会議)第3回会議の報告書である『合理的建築方法(Rationelle Bauweisen)』およびInternational Housing Associationが1931年にベルリンで開催した国際住居会議(Internationale Wohnungs-Kongress)の報告書の参照状況について考察を進めている。 2021年度に予定していたドイツでの文献資料の調査・収集,住宅地等の実見調査については,新型コロナウイルスの感染拡大により実施できなかったため, 2022年度に繰り越して実施した。19世紀末から20世紀初めのドイツの私企業の住宅関係施策について,ルール地方の重要な産業港を擁した都市ドイツ・デュイスブルクに関し,同市公文書館,市文化・歴史博物館で産業都市形成に関する基礎的な資料の収集を行うとともに,ティッセン・クルップ社の資料館では1920年代のドイツの住宅窮乏期における私企業の住宅整備に関する一次資料を入手し,分析を進めている。加えて,エルンスト・マイが建設したフランクフルトのジードルンクについて,同市内のジードルンクの実見調査を行うとともに,フランクフルト市史研究所において一次資料を入手し,分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要欄に記載のように,新型コロナウイルスの感染拡大によって,ドイツでの資料収集・実見調査の実施が遅れ,かつ,さまざまな制限があったために,予定していた事項の調査が十分に行えていないことが進捗の遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染が落ち着き,渡航制限も緩和されたが,世界的な燃料代高騰による航空運賃の高額化により,当初の予定よりも渡航回数を削減せざるを得ない。そのため,バイアウトによる授業代行などによって1回の渡欧調査での滞在日数を増やして多数の調査先を回る,国内から発注できる図書の複写サービスを活用するなど,調査方法を工夫する。
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