研究課題/領域番号 |
19H02333
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 立命館大学 (2020-2023) 京都府立大学 (2019) |
研究代表者 |
大場 修 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (20137128)
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研究分担者 |
平尾 和洋 立命館大学, 理工学部, 教授 (00252479)
青柳 憲昌 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00514837)
安森 亮雄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20456263)
安高 尚毅 小山工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (50341392)
黒野 弘靖 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80221951)
小林 久高 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (80575275)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 住空間 / 住空間史学 / 付属屋 / 小屋 / 民家 / 集落 / 屋敷構え / 石造 / 民家史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、民家史学と関連分野の視点と方法を統合する「住空間史学」の構築により、住空間の歴史性・地域性(地域差)・空間特性について、民家史学のフレームを越えた複合的視点から系統的・総合的に捉え直す。「住空間史学」は、横軸と縦軸の視点複合により、付属屋から屋敷構え、集落、景観全体の形成過程と空間特性を包括的に明らかにする。本研究は、日本の伝統民家・集落における未着手の諸課題に対し、独自の視点と分野横断的な調査方法で切り込む。これにより民家史学の裾野を広げるとともに、地域の中で民家・集落を総合的に評価することで、「歴史・文化遺産」としての民家群を新たな視点で意義づける。
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研究実績の概要 |
京都府和束町湯船地区における茶工場建築の建築調査を多数実施し、製茶集落における付属屋(茶工場)の実態を把握した。この調査は、昨年度から繰り越された調査分を含むもので、今年度はこれに加えて湯船地区周辺においても類似の建築調査を実施して、湯船地区の茶工場建築が和束町地区を代表する建築群であることを意義づけた。同時に、昨年度9月に開始したオンラインの公開研究会を月例会として合計12回(第8回-第19回目)実施した。その内容は、以下の通りである。 第8回目:21-4月-26日:松田法子氏「漁村について」・第9回目:21-5月-24日:菅原邦生氏「東北地方の住宅前面庇の歴史」・第10回目:21-6月-21日:釜床美也子氏(愛媛県西予市狩浜地区の養蚕建築)・第11回目:21-7月-12日:山田由香里氏(長崎の島 沖永良部島の高倉)・第12回目:21-8月-23日:真田純子氏(石積みのある風景)・第13回目:21-9月-13日:畔柳昭雄氏(水屋・水塚「水防の知恵と住まい」)・第14回目:21-10月-18日:中村航氏(日本における土・石積み構法)・第15回目:21-11月-22日:角幸博氏(木骨石造とは何か?)・第16回目:21-12月-20日:中村琢巳氏(弘前・武家住宅の屋敷構え-庭・生垣・樹木の環境物件)・第17回目:22-1月-24日:長田城治氏(国見石と高畠石にみる石材生産と建築利用の関係)・第18回目:22-2月-21日:奥矢恵氏(宇治茶生産集落の茶工場建築についてー京都府和束町湯船地区を事例にー)・第19回目:22-3月-14日:山田宮土理氏(土蔵の左官技術に関する研究) 本科研のメンバー以外にも呼びかけて実施した月例研究会の議論を通して同科研研究の方向性が明確になり、その成果のまとめ方についても書籍刊行という形で定まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度からの継続調査として、京都府和束町湯船地区における茶工場建築の建築調査を実施し、あわせて周辺部の調査も行い、予定してた調査分を終えることができた。加えて、昨年9月から開始したオンライン研究会を今年度も継続し、月例会として合計12回継続的に実施した。これによりコロナ対策をはかりながら本科研研究を大きく進展させることができた。オンライン研究会では、本科研のメンバー以外にも参加を呼びかけ、実際に科研メンバー以外から研究会への発表者を招聘しつつ実施した。これにより、当初の予想を超えてより広範な議論と研究の深化を図ることができた。あわせて、同科研研究で深めるべき新たな研究課題も獲得でき、成果のまとめ方についても十分な検討ができた。よって、進捗状況は(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
本科研研究の研究成果の一環として、書籍『付属屋と小屋の建築誌・もう一つの民家の系譜』を鹿島出版会より本科研の最終年度の中で刊行することが決まった。各研究メンバーは、手持ちの調査研究を継続する一方、本科研メンバーを核としつつオンライン研究会で登壇いただいた多数の研究者を加えて、書籍刊行の趣旨や目的、内容、及び執筆分担などの協議を行う。あわせて書籍刊行に伴い必要となるフィールドワークについて調査計画を立てつつ、メンバーによる共同調査を実施することとした。
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