研究課題/領域番号 |
19H02334
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
北野 信彦 龍谷大学, 文学部, 教授 (90167370)
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研究分担者 |
佐々木 良子 嵯峨美術大学, 芸術学部, 講師 (00423062)
山田 卓司 龍谷大学, 文学部, 講師 (30435903)
本多 貴之 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40409462)
吉田 直人 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 保存環境研究室付 (80370998)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 漆塗装 / 乾性油塗料(チャン塗) / 曝露試験 / 三次元計測 / 彩色木彫 / 塗装彩色修理 / 模刻資料 / 比叡山延暦寺根本中堂 / 比叡 山延暦寺根本中堂 / 塗装彩色材料の手板試料 / 紫外線曝露試験 / Py-GC/MS分析 / スマルト / 文化財建造物 / 塗装彩色材料 / 生物劣化 / 鉛系顔料 / 紫色系彩色材料 / 有機染料系彩色材料 / 手板作成 / 手板試料の曝露試験 / 分光光度計調査 / ハイパースペクトルカメラ撮影 / 塗装彩色材料・技術 / 乾性油塗料 / 紫外線曝露促進実験 / カビなど生物劣化 / 防カビ剤 / 胡粉膠塗装 / 水溶性アクリル樹脂 / レーキ顔料 / 手板作製 / 手板曝露劣化試験 / 復元 / 膠材料 / 黒カビ劣化 / 国産漆 / 中国産漆 / 漆箔手板曝露試験 / チャン塗り / 彩色復元レプリカ / 乾性油塗装彩色 / 有機染料の色相調査 / 手板作成実験 / 桃山文化期木彫彩色 / 板絵彩色 / 東南アジア漆塗料 / 伝統的塗装彩色材料 / 資料活用 / 乾性油系(油彩系)塗料 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、文化財建造物の漆塗装修理は極力日本産漆を使用が求められるとともに、漆塗料以外の塗装彩色修理には合成樹脂より伝統的な膠材料の使用が求められている。ところが日本産漆や膠材料の調達や使用量の算定、伝統的な金具の漆箔施工の仕様、さらには過去多用されたことが明らかとなってきた柿渋や固化不良が生じやすい乾性油系(油彩系)塗料の伝統的な仕様には不明な点が多い。本研究では文化財建造物における伝統的な塗装彩色材料・技術の系譜の解明と再評価をまず行う。そのうえでこれらの材料・技術を修理に応用した際の施工や保守管理方法の策定、3D技術を応用した復元彩色欄間の作成を資料活用として提示することなどを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、「合成樹脂ではなく可能な限り再修理が実施し易く、歴史的価値が高い伝統的な塗装彩色材料を修理材料に採用する。このような伝統的な材料と技術を使用する意義は、建築文化財自体の保存に有効であるばかりでなく、現在では失われつつある伝統的な技術と材料をも同時に後世に伝えることが可能となりうる」という基本方針に従い、幾つかの文化財建造物における歴史的もしくは伝統的な塗装彩色材料・技術に関する分析調査を行い、木彫・油画系塗装彩色技術史の確立を図った。さらに基礎調査で知り得た幾つかの伝統的な塗装彩色材料を想定した手板試料を作製してその劣化促進実験を行い、実践的な修理技術と新塗料開発と仕様に役立てた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、歴史的もしくは伝統的な材料は問題が生じても除去が容易であり、乾性油・膠材料・漆塗料などを複合して使用するなど、それぞれの環境に適応した繊細な技術が存在したことがわかってきた。さらに変・退色が著しい有機染料系材料の調査方法の確立や劣化メカニズムの解明、実態に不明な点が多い乾性油塗装(チャン塗)に関する基礎調査を実施し、合計24件の文化財建造物修理の施工に役立てた。また凹凸のある彩色装飾のある欄間木彫に関する調査と資料活用を目指した三次元計測データを基にした光造形樹脂レプリカの模刻資料作製、画像記録の作成、さらには木彫切削技術開発に関する基礎調査を実施し、活用に資する一定の成果を得た。
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