研究課題/領域番号 |
19H02390
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
加藤 勝美 福岡大学, 工学部, 准教授 (50470042)
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研究分担者 |
岡田 賢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80356683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
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キーワード | ニトロセルロース / 自然発火 / 爆発事故 / 熱分析 / 自然分解 / 自己反応性物質 / 危険性評価 / 耐熱試験 / Abel試験 / メチルバイオレット試験 / 硝酸エステル / 爆発 |
研究開始時の研究の概要 |
ニトロセルロース(NC)は、室温でも自然分解し、その反応熱により自然発火する性質がある。自然発火による爆発事故を防ぐため、NC を貯蔵する際には、定期的に「ABEL 試験」による安定度評価を実施し、自然分解時に発生するNOx 発生量を測定することが法令で定められている。一方、申請者の研究では、ABEL 試験ではNC の爆発危険性を評価できない可能性が示唆されている。このため、本研究では、様々なNC のABEL 試験結果と発熱挙動の相関性を検討し、ABEL 試験の妥当性を検証する。また、ABEL 試験の安定度評価方法としての問題点を明らかにし、新しい試験方法を提案する。
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研究成果の概要 |
ニトロセルロース(NC)は,室温下で自然発火する危険性の高い物質である。このため,貯蔵時には定期的に,Abel試験により安定度を評価することが法令で定められている。本研究にて,Abel試験の実験精度を検証した結果,当該試験ではNCの安定度を正確に評価できないことが明らかになった。一方,国連輸送勧告に規定されている安定度試験(MV試験)では,精度が向上し,Abel試験の代替法として適していると判断した。さらに,本研究では,安定度をより簡便に測定できる新規試験方法(検知管試験)を考案した。本方法では,MV試験より少ない試料量で安全に試験を実施でき,かつ,MV試験の評価結果を再現できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,化学物質の爆発事故を抑制することを目的とした研究であり,化学産業の発展に必要不可欠な科学技術に直結する研究である。本研究の成果を根拠の一つとして,ニトロセルロース(NC)の安定度評価に係る日本産業規格(JIS K4810)も改訂されることとなり,社会への貢献に資する一定の研究成果を得られたものと考えている。また,本研究では,NCの安定度試験に対して,最近の機器分析技術を用いて科学的根拠を与えることができた。このことから,学術的にも意義のある成果が得られていると考えられる。
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