研究課題/領域番号 |
19H02400
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
盛川 仁 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (60273463)
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研究分担者 |
宮本 崇 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30637989)
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70452323)
飯山 かほり 鹿島建設株式会社(技術研究所), 土木構造グループ, 上席研究員 (90711870)
友部 遼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90880005)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | スパースモデリング / 地震観測 / 物理探査 / 条件付ハザード |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,(1)地盤および構造物個別の動特性のモデルから地盤-構造物系の統合モデルに拡張するとともに,(2)スパース(粗)な観測網によって得られた記録から超高密度観測網と同等の精度を有する記録を再構築する手法を開発する。特に,物理モデルを介さず数理的手法によってのみ入出力関係を直接表現する方法を採用することで,まったく新しい手法により地震応答特性のモデル化を目指すものである。
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研究実績の概要 |
第三年度までに「観測および記録処理の高精度化・高効率化」および「地盤ー構造物系の動特性のモデルの統合」の検討に基づいて第四年度は「観測網のスパース化」の検討に着手した。これまでに個別にモデル化を検討してきた地盤と構造物の連成系について,両者のモデル化において有効な手法であることが明らかとなったFDD (Frequency Domain Decomposition)法が地盤-構造物系にも有効であることを明らかにした。そのうえで構造物のモデル化を対象として,動特性を表わすパラメータを少ない数のセンサーで決定するための手法の高度化に取り組んだ。 「観測網のスパース化」にあたって,隣接値の有意差を考慮して確率場を構成することが有効であること,人工知能(AI)を用いることでスパースなデータを適切に補間できることを示した。さらに,少ない数のパラメータから構造物の動特性を表すには事前に大量の理論計算を実施し,入出力関係のデータベースを作成しておき,そのなかから観測値を最もよく説明するモデルを選択することによって,適切なモデルを得るという手法が有効であることが明らかとなった。これらのことより対象を広げて地盤の速度構造や土構造物の動特性の同定にもFDD法は広く適用可能であることを示した。 また,適切な関数形を仮定してそのコントロールパラメータを少ない観測値に基づいて決定することで極めてスパースな記録から物理的に合理的なモデルの同定が可能であるという当初計画では想定していなかった新しい知見を得て,これまで以上に効率よくスパースな観測記録を活用するための手法のさらなる改善のための理論構築をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに得られた観測記録を用いて主として解析を実施することでコロナ禍にあっても研究を進めることができた。また年度の後半以降にあっては行動の制限も比較的緩和されたため新たな観測を実施することができた。これらの記録に基づいて観測網のスパース化の検討を進めることができ,おおむね当初計画どおりにすすんでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
第四年度までに「観測および記録処理の高精度化・高効率化」および「地盤ー構造物系の動特性のモデルの統合」の検討を通して得られた知見に基づいて「観測網のスパース化」の手法について検討をすすめてきた。FDD (FrequencyDomain Decomposition)法が「地盤および構造物のモデル化」のみならず地盤-構造物系にも有効であることがあきらかになったことに加えて,人工知能(AI)や確率場のより適切なモデル化のための手法が得られた。 最終年度である第五年度は,観測網のスパース化に不可欠であるデータの補間法をさらに高度化する。特に適切な関数形を用いることで非常に少ないデータから高い精度で「場」を推定可能であるという新しい知見を活用した手法の開発にとり組む。また,これまでの研究成果のとりまとめを行う。
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