研究課題/領域番号 |
19H02414
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 薫 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 準結晶 / 近似結晶 / キャリア密度制御 / 熱電変換材料 / 第一原理計算 / バンドエンジニアリング / 静電浮遊法 / 過冷却液体急冷 / 半導体 / バンドギャップ / 熱電特性 / 透過型電子顕微鏡 / 高対称性 / 熱電材料 / 超伝導材料 / 生成エネルギー / 電気伝導率 / ゼーベック係数 / エネルギーギャップ制御 |
研究開始時の研究の概要 |
「準結晶」は、固体構造の概念として確立したが、原子スケールの準周期を持つ半導体や絶縁体は見つかっておらず、これらの存在の有無は固体物理学の基本的問題の一つである。アルミ系「準結晶」は熱電性能が高いが、「半導体」にして性能を向上する。ボロン系「半導体結晶」はドープにより比較的高い転移温度の超伝導を示すが、「準結晶」にして転移温度をより高くする。「半導体準結晶」で、結晶とは異なる新しいトポロジカル絶縁体を創製する。
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研究成果の概要 |
Al-遷移金属系では、まず1/0半導体近似結晶への他元素置換によるキャリア密度の制御に成功し、p型とn型で、無次元性能指数0.16と0.25をそれぞれ達成した。準結晶・近似結晶系において初めての熱電モジュール試作に進める成果である。次に1/1と2/1近似結晶の第一原理計算から半導体となる候補系を選定し、2/1近似結晶と準結晶で縮退半導体的な熱電物性を発見した。2/1近似結晶の単位胞当たり2~3個のホールドープで半導体の実現を意味している。B系では、第一原理計算から純ボロンのβ菱面体晶型1/1近似結晶と準結晶の準安定相実現を示し、過冷却液体急冷により既知の準安定相と共に未知相の作製に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体物理学の教科書では、結晶構造の分類の次に、金属、半導体、絶縁体の分類が説明される。準結晶は100種類以上で見つかり、結晶、アモルファスと並ぶ固体構造の概念として確立したが、金属しか存在しない。「半導体準結晶」が存在するかどうかは、固体物理学の基本的な問題の一つとなっている。本研究の成果は、アルミ-遷移金属系とボロン系の両者において、「半導体準結晶」実現の一歩手前に迫っている。さらに、アルミ-遷移金属系ですでに実現した「半導体近似結晶」におけるキャリア密度制御に成功し、これを用いた準結晶・近似結晶系で初めての熱電モジュール実現にも迫る成果を上げた。
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