研究課題/領域番号 |
19H02418
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2021) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
新津 甲大 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (90733890)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
|
キーワード | マルテンサイト変態 / 動力学 / 等温変態 / 熱活性化 / 構造相変態 / 熱活性化機構 / 超弾性 / 変態ダイナミクス / 熱力学 / 機能性材料 / 無拡散変態 |
研究開始時の研究の概要 |
マルテンサイト(M)変態における熱活性化機構が見いだされて以来、M変態ダイナミクスの理論構築が求められている。これまで、等温変態については核生成の熱活性化過程の観点から考察がなされてきたが、①M変態の素過程が核生成と成長(界面掃引)によって記述されること、②そのそれぞれに対し熱活性化過程が考えられること、③正変態と逆変態では核生成の有無に違いがあること等、未検討の事象が多数あり、M変態ダイナミクスの理解は十分に進んでいない。 本研究では、核生成・成長の素過程とその熱的活性化過程の役割を明らかにすることで、等温変態を加味したM変態ダイナミクスの理論構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
熱弾性型マルテンサイト変態の低温挙動が熱活性化機構の観点から説明され、時間の次元が変態ダイナミクスを理解する上で極めて重要な役割を担っていることが明らかとなった。熱活性化機構の数理モデルを提案し数値解を得ることで等温変態挙動を描像するTTT線図および温度掃引下での変態挙動を描像するContinuous Cooling/Heating Transformation図を求め、正変態と逆変態の非対称性および非エルゴード性が説明された。これらの理解は提案した数理モデルによって極めて精度よく再現可能であり、当初の目標であった変態ダイナミクスの基本的な学理の構築が達成された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、マルテンサイト変態における熱活性化機構の物理的役割が明らかとなった。この役割は特に低温域で顕在化し、従来の理解から外れる変態挙動の主要因となる。その結果、形状記憶効果や超弾性効果は低温で得難くなることが分かり、同合金の低温応用を阻む根源的要因であることが明らかとなった。この課題を解決するためには熱活性化機構の影響を小さくする材料設計戦略を確立する必要があり、今後さらなる理解の深化を通して同合金の低温応用を目指した研究に役立てられると期待される。
|