研究課題/領域番号 |
19H02420
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤岡 正弥 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (40637740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 水素化物 / 固体電気化学 / 高圧合成 / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
高密度水素化物は水素イオン伝導、水素吸蔵、超伝導に至るまで、様々な応用の可能性を秘めている。このような物質を創出する取り組みは、今後の水素社会の実現やエネルギー環境問題の解決に向けて極めて重要である。しかし、水素は常温常圧で透過性の高い気体であり、これを大量に結晶内に取り込むには新たなアイディアが必要である。本研究は、「電気」「温度」「圧力」の3つパラメータを同時に制御する合成手法を開発することで、高濃度水素化物の創製に挑戦し、材料合成における新たな反応場を提供するものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、高濃度に水素を含有した化合物を創出することを目的に、「圧力」「温度」「電圧」の3つのパラメータを同時に変調可能な新たな物質合成手法「高圧固体電気化学法」を開発した。これにより、ペロブスカイト酸化物の酸素サイトをヒドリドに置換した、緻密なバルク多結晶体を合成することに成功している。この手法により得られたBaTiO3-xHxは従来法により得られた試料よりも室温で10の5乗程度低い電気抵抗率を示し、粒界抵抗を大きく低減したことが明らかとなった。このように、本質的な物性調査が可能となったことで、当該研究分野の大きな発展が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高密度に水素イオンを含有した化合物は、イオン伝導、水素吸蔵、そして超伝導に至るまで、様々な分野において従来の特性を凌駕する可能性を秘めており、高密度水素化物を創出する取り組みは、水素社会の実現やエネルギー問題の解決に関わる極めて重要な研究課題である。しかし、水素は常温常圧で透過性の高い気体であり、常圧で利用できる高密度水素化物を創出することは極めて難しい。高圧固体電気化学法は、温度、圧力、電圧を制御することで、水素を固体中に導入し、熱力学的に準安定な状態で取り出す合成手法であり、今後様々な新規機能性水素化物を創出するものと期待される。
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