研究課題/領域番号 |
19H02436
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉武 剛 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40284541)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ナノダイヤモンド / ダイヤモンド / 同軸型アークプラズマ堆積法 / 物理気相成長法 / 硬質被膜 / オーミック電極 / 硬度 / 耐酸腐食性 / ヤング弾性率 / オーミック特性 / 半導体物性 / 機械特性 / 薄膜創製 / 薄膜 / 半導体 / コーティング / レーザーアブレーション法 |
研究開始時の研究の概要 |
粒径10 nm以下のダイヤモンド微結晶がa-C:Hマトリックス中に無数に存在する構造を持つUNCD膜は,膜中における粒界界面の占める割合が無視できないレベルで大きくなり,その結果単結晶ダイヤモンドともa-C:Hとも異なる新奇な物性を発現する.BおよびNドープによりpおよびn型化がキャリア濃度の制御を含めて可能であり,光電変換材料として有望であることを実証してきた.またDLCの最高硬度に匹敵する60 GPaの高硬度膜を,DLC膜より一桁以上厚い数ミクロンの厚膜を堆積可能であることを実証してきた.特異な物性の発現するキーとなる粒界を含むナノ構造を,化学結合構造の視点から明らかにする.
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研究成果の概要 |
ナノダイヤモンド(ND)膜の独自の物性を調査し以下の結果を得た。(1) 負電圧を印加することにより硬度85 GPaを達成した。(2)近接場ラマン分光法を初めてND膜に適用してND結晶粒からのラマン散乱光を検知できることを実証した。(3)n型単結晶ダイヤモンドに導電性ND膜を適用し、従来のTi系電極の接触抵抗と比較して、約一桁小さな値と明らかな界面電位の降下を実証した。(4)沸騰する混酸に浸すことで耐酸腐食性を調べた。Ti系電極が1セッション目ですぐに剥離してしまうのに対して、ND電極は300時間Ti系電極の初期の接触抵抗を下回ることを示し、ND膜が極めて高い耐酸腐食性を有することを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同軸型アークプラズマ堆積法でナノダイヤモンド(NCD)膜の成長に唯一成功している。CVD法では結晶サイズを小さくするのが難しいのに対して我々の方法では容易である。数ナノサイズのNCD結晶がアモルファスカーボン(a-C)マトリックス中の存在していることは,化学結合構造の視点からすれば,四面体構造で規則的に配列した部分(NCD結晶)と結合角度がそろっていない部分(a-C)とが混在した状態,すなわち化学結合がナノスケールで変調された状態となっており,バルクとバルクの粒界のように異質なものの境界ではない。無数に内在する粒界の効果を解明することは学術的に極めて意義深い。
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