研究課題/領域番号 |
19H02451
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
後藤 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (40300701)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | セラミック繊維 / 繊維コーティング / 界面 / 複合材料 / 引張強さ / 破壊 / セラミックス / 相変態 / セラミックス複合材料 / 相転移 / セラミックス基複合材料 / コーティング / 化学蒸着法 |
研究開始時の研究の概要 |
連続繊維強化セラミックスは航空機用ガスタービンエンジンの性能向上に寄与する重要な新材料である。そのセラミックス複合材料の重要な特性である損傷許容特性を発現するために必要な繊維コーティングをより高温で、長時間使用できるようにする。そのために、熱応力に加えて、相変態による体積変化が期待でき、残留応力の発生があるZrO2に注目して繊維コーティングの開発を実施する。レーザーCVD装置を構築し、ZrO2および部分安定化ZrO2を用いた繊維コーティングによるSiC/SiCの各種力学特性の変化を調査し、相変態を利用した残留応力による繊維コーティングの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
ZrO2繊維コーティングのプロセス温度による繊維/マトリックス界面のせん断応力の変化を調査し、コーティングのプロセス条件の最適化を実施した。また、ZrO2繊維コーティングを施工したSiC繊維を用いたSiC/SiC複合材料の引張試験を行い、十分な繊維保護機能を有していることを明らかにした。続いて、作製したミニコンポジットを1100℃大気中に1時間暴露し、酸化後の界面力学特性と引張強さを取得した。酸化後の界面せん断応力は酸化前の50から100 MPaに比較して非常に大きくなった。また、引張強さは酸化前の370 MPaから半減し、繊維強度保持機能を失っていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、相転移を用いることにより繊維コーティング内の残留応力を増やし、そのような繊維コーティングを施したセラミックス複合材料が十分な力学特性を発揮することを示した。一方、酸化物による繊維コーティングは、界面はく離の発生がSiC繊維とコーティングの間で発生するために酸化によりコーティングと繊維の固着を発生させることも明らかとなった。このことは、今後の繊維強化セラミックスの繊維コーティングの開発において重要な設計指針を与えるものとなる。
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