研究課題/領域番号 |
19H02456
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
小林 正和 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20378243)
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研究分担者 |
三浦 博己 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30219589)
青葉 知弥 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50757143)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 結晶組織 / 局所ひずみ / 集合組織 / 圧延 / 引張 / 三次元 / 局所塑性ひずみ / 放射光 / X線CT / アルミニウム合金 / 不均一変形 / すべり変形 / 結晶方位 / 結晶塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
多結晶材料中の内部変形メカニズム(結晶塑性のすべり・回転と隣接結晶粒との相互作用)を明らかにし,構造用金属材料の強度と延性(成形性および靱性)両立のために,積極的な集合組織制御を可能とすることを目指す。添加元素量で圧延集合組織が変化する多結晶合金の内部組成ひずみとミクロ組織を高分解能トモグラフィによる3D/4D非破壊測定・解析技術で計測する。そして,結晶塑性シミュレーション解析で集合組織変化に伴い変化する結晶粒内のすべり機構メカニズムを明らかにする。さらに,結晶粒組織間の相互作用関係をデータベース化,データサイエンスによる分析を行うことで,支配的に集合組織変化を引き起こす因子を詳らかにする。
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研究成果の概要 |
通常,内部塑性ひずみは計測困難である。本研究は,SPring-8の高輝度放射光を活用し,高分解能トモグラフィによる3D/4D非破壊測定・解析技術によって,添加元素量で圧延集合組織が変化する多結晶合金の内部塑性ひずみとミクロ組織を計測した。データ分析を行うことで,変形集中や集合組織変化を引き起こす支配因子にアプローチした。隣接結晶粒間の相互作用が重要であることが明らかになった。結晶塑性シミュレーション解析で,隣接結晶粒間の関係と変形集中や方位変化メカニズムを議論した。多結晶材料中の内部変形要因が明らかにされ,構造用金属材料の強度と延性両立のために,積極的な集合組織制御を可能とする礎を築いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
圧延は金属材料の生産工程で常用される手法であり,産業応用上重要なプロセスである。古くから研究も為されている故,多くの研究者が十分理解できていると思っているかも知れない。しかし,実際は単に古典的理論が信じられているのみで,結晶塑性論の示すような結晶粒レベルの変形が圧延集合組織形成へ影響するかどうかは,高度な計測・解析技術が必要となるため調査が進んでいない。計測技術を有した我々が,放射光を利用して,そこにメスを入れ,結晶方位が要因で必ずしも優位な変形を起しているわけではないことを明らかにした。これは新たな結晶塑性理論の発達や集合組織制御に新しい展開を引き起こす引き金となるものである。
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