研究課題/領域番号 |
19H02458
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
袴田 昌高 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30462849)
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研究分担者 |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 教育研究基盤センター, 教授 (00319500)
湯浅 元仁 同志社大学, 理工学部, 准教授 (70635309)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | ナノポーラス / 細胞 / 機械的刺激 / 細胞接着 / ナノポーラス金属 / 細胞培養基板 / タンパク質 / 培養基板 |
研究開始時の研究の概要 |
新しいナノ金属材料として注目される「ナノポーラス金属」の持つナノメートルオーダの孔径の多孔質構造が、細胞の接着挙動をどのように制御するかを明らかにする。接着性ヒト細胞であるHeLa 細胞がナノポーラス金基板に接着する際の接着挙動を平滑金基板の場合と比べ、ナノポーラス金属独特の細胞接着への効果を調べる。特に、細胞接着を担う培地中のタンパク質「フィブロネクチン」に注目し、これがナノポーラス金表面で安定して存在するかどうかを、実験・計算科学の両面から明らかにする。研究の出口として学術的な新知見はもちろんのこと、ナノポーラス金を利用して生体組織を自在に創出するなど、高い波及効果も視野に入れる。
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研究成果の概要 |
ナノメートルオーダの超微細な孔径の多孔質構造を持つ「ナノポーラス金」(NPG) を細胞培養基板として用いた場合の細胞の挙動を調べた。フィブロネクチンを介して接着するHeLa細胞の場合、細胞がいったんNPG基板に接着するものの、フィブロネクチンの細胞接着機能がNPGにより低下し、細胞内へのシグナル伝達を通じて細胞死を誘発することがわかった。また、コラーゲンを介して接着するヒト間葉系幹細胞の場合、細胞が最初からNPG基板に接着しにくいことがわかった。また、NPGに電解液中で電位を印加すると変形するという特性を利用し、ヒト線維芽細胞に周期的な機械的刺激を与え、増殖を促進できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回はナノポーラス金 (NPG) 基板を静的に利用し、単純に細胞を培養することによって細胞の不活性化を促した一方で、周期的な機械的刺激を与えるという動的な利用によっては細胞増殖を実現した。つまりNPGは、利用法も含めた周囲技術のチューニングによって細胞の活性をコントロールできる可能性のある、興味深い材料であることがわかった。NPGは他のナノ材料(ナノ粒子等)と異なり、材料そのものが肉眼で見え、バルクとして扱えるナノ材料であることも考えれば、細胞分析・培養装置への導入などの応用の道が拓けたといえる。
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