研究課題/領域番号 |
19H02459
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
柴田 曉伸 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (60451994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 水素脆性 / マルテンサイト鋼 / 破壊靭性 / マイクロメカニックス / マイクロメカニックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
「水素脆性」とは材料中に水素が侵入することによって,材料が著しく脆化する現象である.これまでの国内外の精力的な研究により,水素脆性破壊の基本要因は明らかになりつつあるが,「破壊メカニズムに基づいた材料全体の破壊特性予測」という重要学術課題に関する水素脆性研究はほとんどなされてきていない. 本研究は,高強度マルテンサイト鋼の水素脆性粒界破壊を対象とし,各破壊素過程に対応する巨視的スケール破壊特性の評価,き裂発生・伝播挙動のミクロ組織解析を行うとともに,破壊メカニズムに基づいたマイクロメカニックス解析を行い,水素 / 結晶粒界凝集エネルギー / 巨視的スケール破壊特性の相関を定量的に明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,鉄鋼材料の水素脆性粒界破壊を研究対象とし,原子的/微視的スケールでの破壊特性と水素の関係を明らかにすることを目的として研究を行った.そして,水素濃度の増加と伴にクラック伝播抵抗が減少するが,水素濃度が4wt.ppmと非常に高い場合であっても依然としてクラック伝播抵抗が存在することを明らかにした.またこの一種の安定クラック伝播はミクロレベルでの不連続なクラック伝播に起因していることを見出した.また,FEシミュレーションにより,クラックの伝播形態がマクロな力学応答に大きな影響をおよぼしていることを証明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,水素誘起粒界凝集エネルギー低下の定量評価を行った.破壊特性精密評価,ミクロ組織解析,マイクロメカニックス解析を併せた新規な複合的手法によって水素脆性破壊の定量評価を実施した点に本研究の大きな学術的意義がある.水素脆性は高強度鉄鋼材料を広く社会実装していく上で大きな問題となっている.本研究で得られた知見は耐水素脆性に優れた材料設計に繋がるものであるため,安全・安心な社会を構成するための社会基盤の構築に貢献しうるものである.
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