研究課題/領域番号 |
19H02464
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
峯 洋二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90372755)
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研究分担者 |
眞山 剛 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (40333629)
高島 和希 熊本大学, 国際先端科学技術研究機構, 卓越教授 (60163193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | 強度・破壊靭性 |
研究開始時の研究の概要 |
準安定オーステナイト系ステンレス鋼の水素脆化を克服できれば、水素システム構造部材の軽量化・レアメタルの省資源化を達成でき、持続可能な社会の実現に大きく貢献できる。この種のステンレス鋼では、変形中に動的に起こる相変態が水素脆化機構の理解を妨げてきた。本研究では、マイクロ力学試験技術を利用して、変形過程における微視組織変化が問題となるオーステナイト鋼の水素脆化機構の解明を行う。特に、水素助長疲労き裂進展を支配する双晶境界の役割と成分偏析による縞状組織の影響に注目する。また、結晶塑性解析と連携させることで、マルチスケールモデリングに基づく材料の耐水素強靭化設計の指導原理の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
ナノ双晶を導入したSUS304準安定オーステナイト系ステンレス鋼においてマイクロ引張試験により、ハード方位およびソフト方位において、水素脆化に及ぼすナノ双晶の影響を調べた。その結果、ナノ双晶束の導入は、降伏応力の増加に寄与するのみならず、水素誘起双晶界面分離を抑制することを明らかにした。また、マイクロ疲労試験により、疲労き裂進展抵抗と組織発達の関係を調査した。ナノ双晶材では、双晶方位にかかわらず、高き裂進展抵抗が得られることを明らかにした。さらに、水素チャージによって、疲労き裂進展速度の増加が認められるが、その程度は、双晶境界が単体で存在する場合よりも軽減されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
材料の微視組織から微小試験片を選択的に採取し、組織構成要素のマイクロ力学特性評価と変形および疲労き裂進展の素過程の直接観察を可能にする手法を利用して、変形過程における微視組織変化が問題となるオーステナイト鋼の水素脆化および水素助長疲労き裂進展を支配する双晶境界の役割を明らかにできた。これにより準安定オーステナイト系ステンレス鋼の水素脆化を克服する糸口を見つけ、水素システム構造部材の軽量化・レアメタルの省資源化を達成でき、持続可能な社会の実現に大きく貢献できる。
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