研究課題/領域番号 |
19H02471
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
川村 みどり 北見工業大学, 工学部, 教授 (70261401)
|
研究分担者 |
阿部 良夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20261399)
木場 隆之 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40567236)
室谷 裕志 東海大学, 工学部, 教授 (70366079)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
|
キーワード | 銀薄膜 / 表面保護層 / 高湿度 / 環境試験 / 真空 / 表面粗さ / 耐久性 / 水蒸気 / 酸素 / 反射率 / 表面層 / 凝集挙動 / アルミ表面層 / クリプトン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、二つの観点で銀薄膜の高湿度下での耐久性向上の鍵を明らかにする。まず水蒸気を導入できるスパッタ装置を用いて、銀成膜直後の表面に大気中では不可分な水蒸気・酸素を各々暴露し、保護層となる表面層積層前の銀表面上の吸着の有無が耐久性に及ぼす影響を解明する。また並行して、銀薄膜のスパッタ成膜時における希ガス取り込みにも着目する。スパッタリング法で金属原子を叩き出す希ガスを従来のアルゴンではなくクリプトンにすることにより、膜中の希ガス取り込みを可能な限り排除し、より緻密な銀薄膜を作製する。従来のアルゴン中で作製した膜と比較することで、膜の希ガス取り込みと環境耐性との関係を解明する。
|
研究成果の概要 |
真空成膜装置中で成膜直後の銀薄膜に水蒸気を曝露後、アルミナノレイヤを積層して取り出し、高湿度下での環境試験を行った。その結果、水蒸気曝露履歴のない積層膜よりは、粗さが増大したが、一方で、単層膜よりは十分に劣化が防止されており、保護効果が確認できた。また、銀成膜後、水蒸気や酸素を導入し、制御した雰囲気で環境試験を行った結果、水蒸気・酸素混合雰囲気で試料の粗さが最大となり、次いで、水蒸気雰囲気であることが判明した。また、銀薄膜スパッタ成膜時のガスにクリプトンを用いると、貴ガス取り込みが排除され、優れた物性値を得たが、耐久性に関する違いは認められなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成膜装置から銀薄膜を取り出した際、水蒸気・酸素の影響の切り分けは困難だが、装置内で水蒸気曝露や制御した雰囲気での環境試験を行うことで、銀表面が接した単独のガスの影響を評価できた。成膜装置内での銀薄膜への水蒸気曝露は、大気中の水蒸気分圧より極めて低くても、銀薄膜の表面粗さの増大が認められ、銀成膜直後に保護層を積層することの重要性を確認した。また一方で水蒸気曝露の有無にかかわらず保護層による耐久性の付与効果の大きさも確認した。成膜に続き環境試験を行った結果から、水蒸気・酸素混合雰囲気での粗さの増大が最大であり、大気中での高湿度試験では、酸素の共存の影響が大きいと言える。
|