研究課題/領域番号 |
19H02473
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 吾郎 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60451621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 相変態 / エネルギー散逸 / ソリュートドラッグ / 偏析 / 三次元アトムプローブ / 界面整合性 / 異相界面 / 分配 / 非平衡成長 / 非平衡静養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,移動する異相界面への溶質元素偏析によって引き起こされる非平衡状態を定量的かつ系統的に測定し,溶質元素-異相界面の相互作用のダイナミクスを確立することを目指す.その要諦は,異相界面移動の制御に不可欠であるがこれまで推測するしかなかった溶質偏析に関する種々の因子(異相界面における界面整合性,溶質元素の偏析エネルギー,偏析幅,溶質元素の界面拡散係数や溶質元素間の相互作用)を同一界面における非平衡度,成長速度,元素偏析量といった多面解析によって解明することである.
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研究成果の概要 |
鉄鋼材料の熱処理中に発現する相変態組織を制御するため、異相界面移動に及ぼすMo, Mn, Ni添加の影響を調査した。その結果、Moは界面に偏析して界面移動に大きなエネルギーを消費するが、移動速度が小さな場合には影響が消失する。一方、Mnは界面移動速度に関わらずエネルギー消費が大きく、遅い界面移動速度でも界面移動を抑制する.また,これらのエネルギー消費を引き起こす界面近傍のナノスケールの元素濃化を捉え、界面性格によって濃化挙動が大きく異なることを明らかとした。さらに、これらの元素の振る舞いを定量的に予測するモデルの構築ならびに各物性パラメータの決定方法を明確にすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかになった添加元素と異相界面の相互作用の定量的な理解は、鉄鋼材料を始めとする構造用金属材料の高機能化に資するものであると同時に、少ない添加元素で効率的に相変態挙動を制御することができるようになるため、省資源化にも貢献することが期待される。また、異相界面における添加元素の振る舞いが明確になったことから、これまで想像するしかなかった界面における精緻な元素活用を可能にするものである。
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