研究課題/領域番号 |
19H02481
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
楊 明 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (90240142)
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研究分担者 |
清水 徹英 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70614543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | マイクロ金属加工 / 超音波振動 / 素材変形促進 / SEM-EBSD分析 / モデル化 / 材料加工・処理 / 精密部品加工 / 金属成形加工 / 塑性変形 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超音波振動が素材変形に及ぼす影響に関するメカニズムおよびそのスケール効果の解明及び素材変形に関する理論モデル(塑性変形構成式)の提案を目的とする。変形抵抗や結晶構造が異なる被加工素材に対して、超音波振動エネルギーと素材の変形促進因子である転位移動エネルギーとの相関に着目し、超音波振動による塑性変形時の素材転位密度の変化を実験的に評価し、素材変形抵抗の変化との関係から素材変形促進効果を定量化する。さらに素材の結晶構造、転位ポテンシャルエネルギー、転位密度などのパラメータ及びスケール効果を考慮した素材変形理論モデルを構築し、プロセスシミュレーションによって、その妥当性を評価する。
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研究成果の概要 |
高周波数応答力センサーを導入し、超音波援用加工時におけるパンチと素材との接触状態のリアルタイム測定による超音波援用の応力重畳、音響軟化、衝撃など各種効果の分離を可能にした。また、変形後の組織の電子顕微鏡EBSD分析を行い、音響軟化によって転位密度の減少や転位分布のランダム化などから、転位移動度を高め、動的回復と転位消滅につながった可能性を示した。これらの結果に基づいて超音波援用の音響軟化効果による結晶性材料の転位移動促進を組み入れた材料変形モデルを提案し、AlとCuの実験結果と比較した結果、提案モデルによる推定結果が異なる材料および振幅に対して良い一致が得られ、モデルの有効性が実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来研究で、ブラッハ効果として評価解釈されてきた応力重畳と音響軟化を分離し、個々の変形メカニズムに適した理論モデルを構築した。素材の動的な変形挙動をオンラインモニタリングし、現象の解析、および各種効果の定量的な評価に基づいた理論モデル構築は、超音波振動援用技術における複雑性を解決する点で大きく貢献する。 従来から超音波振動の効果を塑性加工に応用することが試みられてきた。超音波振動援用マイクロ塑性加工プロセスの確立は加工精度の向上や素材の成形性向上効果が大きく、実用化が期待されている。超音波振動の各種効果と素材の変形に結び付ける理論式の提案により、その実用化が促進され、波及効果が大きい。
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