研究課題/領域番号 |
19H02488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松野 泰也 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50358032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 有機王水 / 湿式製錬 / 黄銅鉱 / ミックスサルファイド / 二相分離 / LCA / 浸出 / 回収 / ジメチルスルフォキシド / 塩化銅 / パイライト / 持続可能性 / 湿式精錬 / 環境調和 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、半世紀にわたり課題となっている、湿式法による黄銅鉱(CuFeS2)からの銅の精錬を、提案者が開発した有機王水を用いる精錬プロセスを開発することで達成することを目的にする。具体的には以下を解明する。 1) 有機王水中において不働態が形成されることなく黄銅鉱が溶解するメカニズム、2) 有機王水を用いた黄銅鉱の湿式法精錬プロセスの最適操作条件、3) 既存プロセスに対する環境性と経済性の比較、4) 他の鉱石への適用可能性。 本プロセスが実用化されれば、将来の銅産業の持続可能的発展に大きく貢献できると確信し、本研究の成果は世界に先駆けた提案となる。
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研究成果の概要 |
本研究は、有機王水を用いる黄銅鉱(CuFeS2)からの銅精錬プロセスを開発することを目的とした。有機王水を用いた黄銅鉱の浸出では、不働態が形成されることなく黄銅鉱が溶解することを示し、最適操作条件を見出した。しかも、黄銅鉱(銅精鉱)に随伴される元素のうちAuなどの貴金属は溶解するが、ペナルティ元素であるAsや経済価値の低いパイライト(FeS2)は残渣として残るという非常に興味深い知見を得ることができた。 さらに、Ni・Co混合硫化物への有機王水の適用を行い、既存の水溶液系での浸出速度よりも大幅に増大できることが分かり、浸出液からのNiは溶媒抽出によりCuとの分離が可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、半世紀にわたり課題となっている、湿式法による黄銅鉱(CuFeS2)からの銅の精錬を、提案者が開発した有機王水を用いる精錬プロセスを適用することで達成することを目的とした。ジメチルスルフォキシド系有機王水を用いた浸出においては、不働態が形成されることなく黄銅鉱が溶解することを発見するとともに、沸点が高い故に常圧において高温を用いれることができるゆえ、浸出速度を格段に速めることができることを見出した。ニッケル・コバルト混合硫化物に関しても、既存の水溶液系での浸出速度よりも大幅に増大できることを示したことは、本分野において大きな成果である。
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