研究課題/領域番号 |
19H02499
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今村 維克 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (70294436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | solid dispersion / spray drying / amorphous sugar / glass transition / over-dissolution / vacuum foam drying / nanoparticle / water sorption / drying / alcohol / hydrophobic drug / dissolution / aggregation / DSC / FTIR / solubility / surfactant-free / アモルファス / 固体分散 / 難水溶性 / 乾燥 / 糖 |
研究開始時の研究の概要 |
難水溶性物質を水溶液中で飽和溶解度を超えて,かつ,安定に溶解させる技術は,医薬品および食品分野における重要課題である.現在,過飽和状態を一時的に作り出す技術は存在するが,過飽和の度合いおよび持続時間は産業として求められているレベルに到達していない.本研究では,“飽和溶解度の壁”を打ち破り,過飽和状態を安定に維持する技術の開発を目指す.また,糖分子はその分子構造に応じて分子間の相互作用特性を変化させ,その結果,マトリクスとしての物性が大きく変化する.本研究では糖分子の化学構造だけでなく,立体構造もまた相互作用状態,ひいては物性に影響を及ぼしうることを明らかにして行く.
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研究成果の概要 |
キャリアを構成する糖と難水溶性薬剤のみからなる新規固体分散技術(surfactant-free ASD)を開発した. このsurfactant-free ASDにより難水溶性薬剤の対水溶解性を高度に改善できるが,適切な条件で熱処理することにより,薬剤の溶解性および糖からなるキャリアマトリクスの物理的安定性が格段に改善されることが分かった. “熱”がどのようにしてキャリアマトリクスの物理的安定性と薬剤の溶解性を改善するのか,系統的に検討し,この新規ASD技術の高度化を実現した.さらに有機溶媒から調製した糖のアモルファスマトリクスの物理化学的特性および凝集性ナノ粒子懸濁液の乾燥粉末化にも応用した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,医薬品の候補物質として見出されたものの70%以上は難水溶性であると言われており,難水溶性薬剤の水系(生体内)溶解性の改善は医薬品業界において最重要課題となっている.本研究で提案する新規固体分散技術およびその熱処理による高度化は「難水溶性薬剤の溶解性の改善」そのものであり,製薬産業に対するインパクトは大きい.また,「水(に良く溶ける物質)と油(に良く溶ける物質)」を界面活性剤を用いずに均一混合する技術は広い産業分野で少なからぬ意義を持つと考えられる.さらに本来,糖のアモルファスマトリクスの物理化学的特性が溶媒の種類によって劇的に異なると言う知見は,特に食品分野で注目すべきものである.
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