研究課題/領域番号 |
19H02514
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2021) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
細川 三郎 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 准教授 (90456806)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 環境触媒 / 酸素貯蔵材料 / ペロブスカイト酸化物 / トポタクティック反応 / ペロブスカイト構造 |
研究開始時の研究の概要 |
環境触媒材料は多くの場合高温反応雰囲気下に曝されることが想定されるため,高い熱的安定性を必要とする.そのため,触媒の表面積に囚われない触媒材料設計が望まれている.そこで,本研究では,熱的に安定なセラミックス材料の構造情報を表面反応に利用することを試み,高い活性と耐熱性を併せ持つ環境触媒材料の創製を目指す.具体的には,遷移金属複合酸化物のトポタクティックな酸素脱離・挿入機構に主眼を置き,新規触媒担体材料の設計を行う.さらに,複合酸化物内部の固体内酸素イオンの挿入・脱離が関わる表面反応の学理を究明する.
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研究成果の概要 |
環境触媒材料は工場や自動車から排出される炭化水素やNOx種のような有害物質の除去に使用されており,昨今の環境問題への関心の高まりから触媒能の向上が強く求められている.さらに,本材料は高温加湿雰囲気下に曝されることが想定されるため,優れた触媒活性に加え,高い熱的・化学的安定性の付与が必要不可欠である.そこで,本研究では遷移金属複合酸化物の固体内部の格子酸素および酸素欠損サイトを高効率に活用した新規環境触媒材料の開発を目指した.その結果,化学的安定性の高いSr-Ti系複合酸化物に異種遷移金属を添加した材料が優れたNOx除去能を示すことを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来までの環境触媒材料設計では表面構造制御が主に検討されてきたが,本研究では固体内部の構造に主眼を置いて材料設計を試みた.その結果,NOx種を吸蔵させ除去する反応では,貴金属フリー型Mn添加SrTiO3のNOx吸蔵能は既存材料のPt/Ba/Al2O3に匹敵することを見出した.また,NOをN2に還元し除去する反応では,Co添加SrTiO3担持Pd触媒の格子酸素がNO還元に関与しており,本材料は既存材料であるPd/CeO2-ZrO2を凌駕する特性を示した.これらの成果は,貴金属使用量の低減化や代替に寄与するとともに,新しい触媒材料設計の指針になるものと考えている.
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