研究課題/領域番号 |
19H02524
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田丸 浩 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (50324554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 一本鎖抗体 / キンギョ / ゼブラフィッシュ / ファージディスプレイ / scFv |
研究開始時の研究の概要 |
近年、分子標的薬である抗体医薬に加えて、CAR-T細胞治療に利用される一本鎖抗体が注目されている。高性能な一本鎖抗体を低コストで生産・供給するための技術開発に期待が寄せられており、本研究ではキンギョ(スイホウガン)を免疫動物として活用することで短期間に抗体を取得するとともに、水泡液中のB細胞から次世代シークエンサーを用いてIgMの配列情報を網羅的に解析することで、免疫後のscFvをファージライブラリ化してスクリーニングし、抗原特異的で親和性の高いscFvを取得する一貫システムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
3コピーのhLGR5遺伝子を搭載したタンデムリピート型プラスミドをゼブラフィッシュ受精卵にマイクロインジェクションすることで、hLGR5タンパク質を発現することに成功した(特許出願1件)。 次に、キンギョIg遺伝子についてコイ科およびニジマスのゲノム情報と比較した結果、キンギョゲノムにはIgM遺伝子に加えて、IgZ、IgZ2、IgZ3遺伝子の存在が確認された。さらに、大腸菌曝露前後におけるキンギョIg遺伝子発現量の変動を確認した結果、キンギョ(和金)ではIgZ、IgZ2は鰓でのみ遺伝子発現量が増加し、IgM遺伝子はゼブラフィッシュほどの発現増加は検出されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼブラフィッシュでは標的遺伝子をタンデムに配列したプラスミドをインジェクションすることで、hLGR5のような発現困難な膜タンパク質を発現させることができた。このことは、創薬標的となる膜タンパク質の発現系としてゼブラフィッシュが有益なホストであることが判明した。一方、キンギョ(水泡眼、和金)はIgMに加えて、ヒトIgAに相当するIgZ遺伝子がゲノム上に存在することが明らかになった。また、大腸菌の暴露によってIg遺伝子の発現が誘導されるため、今後はこのメカニズムを活用することで、これまで取得困難であった抗体およびその配列情報から一本鎖抗体(scFv)を構築して、CAR-T細胞治療などに活用できる。
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