研究課題
基盤研究(B)
本研究では「増殖 or 生産」というジレンマを脱却して「増殖 and 生産」という新しい方法論を提案する。解糖系とTCA回路を完全に切り離し、さらに糖を使い分けることで、微生物に最初から増殖に違う経路を使ってもらう技術を開発する。基盤微生物を構築しPEPおよびアセチルCoAを前駆体とする有用化合物(ムコン酸・メバロン酸)の炭素収率を劇的に向上させる。
本研究では、PMPE (Parallel Metabolic Pathway Engineering) と呼ばれる新しい代謝工学技術を開発した。目的物質の生産と細胞増殖のために、それぞれグルコースとキシロースを炭素源とし、それぞれの糖に由来する炭素が代謝系内で交錯しないように設計した。さらに培養液の検討とpHの最適化を行った結果、80時間の培養で4.26g/LのMAを生産し、消費されたグルコースに対するMA収率は80時間培養で0.31g/gに達した。この収量は、バッチ式でのMA生産において世界最高であり、PMPEが有効な戦略であることが示された。
低炭素社会の実現には、いかに炭素を効率よく使うか、つまり収率の向上が大きな鍵となる。しかし、微生物は投入した炭素源を物質生産ではなく菌体増殖の方へと流してしまう。そこで本研究では、Parallel Metabolic Pathway Engineering (PMPE)という新しい手法を開発した。本技術は、収率の向上のみならず、使える炭素源の種類を拡張させる点でも低炭素化に大きく貢献している。
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https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2020_01_14_02.html