研究課題/領域番号 |
19H02529
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
津田 栄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70211381)
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研究分担者 |
大山 恭史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80356675)
近藤 英昌 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80357045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 不凍タンパク質 / ナノ氷結晶 / 過冷却現象 / 凍結濃縮現象 / 分子構造 / 熱ヒステリシス / 過冷却 / 構造 / 細胞生存率 / 微細氷結晶 / 過冷却状態 / Antifreeze Protein / 準ガラス化状態 / 氷結晶結合 / Supercooling / ガラス化凍結 / 細胞 / 脂質二重膜 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「なぜ、寒冷地の生物は凍結死の危機を回避できるのか?」の解明を目指すものである。1969年以降、世界の様々な寒冷地生物から発見されている不凍タンパク質(AFP)という物質がそのカギを握ると考えられるため、本研究では複数種類のAFPの遺伝子組成、立体構造、氷再結晶化阻害機能、細胞膜透過性、細胞延命機能を分子から細胞のレベルで詳細に解析する。特に細胞の内外をAFPで満たす画期的な方法を明らかにすることで、生物が凍結死を回避するメカニズムを解明する。その結果に基づき、少ないエネルギーで細胞や組織を保存する新しい技術の開発に至る。
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研究成果の概要 |
本研究は (1)液体窒素とAFPはどちらも水を微細氷結晶で埋め尽くされた状態に変化させて凍結濃縮を抑制すること、(2)ラット膵島細胞の内部を光学顕微鏡で観察できるサイズの微細氷結晶で埋め尽くした状態にしたときには生存率に改善が見られないこと、(3)同細胞の内部を光学顕微鏡では観察できないほどに小さなナノ氷結晶で埋め尽くした状態すなわち過冷却状態にしたときには極めて高い生存率改善効果が得られることを見出した。特に、昆虫AFPを用いて細胞の内外をナノ氷結晶で埋め尽くした過冷却状態にしたときには、20日間保存後であっても53%もの高い細胞生存率が得られることを世界で初めて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冷凍庫で保存中の細胞、組織、食品等の内部に大きな氷結晶が生成する現象が「氷の再結晶化」である。本研究はエネルギーコストのかからない不凍タンパク質(Antifreeze Protein, AFP)を使うことで再結晶化が止まることを見出し、さらにマイナス温度域に冷却した水をナノ氷結晶で埋め尽くす「準ガラス化状態」にする技術によって細胞組織を低温下で長期間生かし続けられることを明らかにした。特に、昆虫由来AFPには水をマイナス5°Cで準ガラス化状態にする能力があること、その状態が細胞の生存率を大幅に改善することを初めて明らかにした。得られた成果をオープンアクセス誌やセミナー・講演等で広く公開した。
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