研究課題/領域番号 |
19H02542
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守谷 頼 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (30548657)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | グラフェン / 窒化ホウ素 / 長波長赤外光 / 赤外光デバイス / 熱輸送 / 熱電効果 / 赤外光検出 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンは電子の比熱および電子-格子相互作用が他の材料と比較して異常に小さいため、その電子系は温度が上昇しやすく、さらに格子温度とは独立に変化する。この性質を利用して、格子系を経由しない電子系を用いた熱伝達の制御技術を確立することが本課題の目的である。高温度のグラフェン電子系から近接する材料の電子系への直接の熱伝達を利用した熱制御、さらにグラフェン電子系からの輻射熱を用いた微小熱源の可能性を模索する。これらの技術は、市販品が殆ど存在しない波長15ミクロン以上の遠赤外・テラヘルツ光の光発生・検出機への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
グラフェンは電子と格子の相互作用が他の材料と比較して非常に小さい。そのためグラフェンの電子系は温度が容易に上昇し、さらに電子温度は格子温度とは独立に 変化する。この性質を利用して、格子系を経由しない電子系を用いた熱伝達の制御技術を確立するのが本課題の目的である。研究機関を通じてグラフェンの電子系を用いた熱輻射源や熱検出器技術の確立に成功した。これらの技術は市販品が殆ど存在しない波長15ミクロン以上 の遠赤外・テラヘルツ光の光発生・検出機の応用が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの材料において、熱は格子を伝達する。格子の熱伝導は制御が困難であり容易に拡散してしまう。炭素1原子層のグラフェンでは電子と格子の相互作用が小さいため、電子系のみを用いた格子を介さない熱伝達制御が可能である。本研究では1)グラフェンに電流を流した際の電子系の黒体輻射が非常に効率の良い輻射熱源であること、2)グラフェンの電子系の熱電効果が、感度の良い熱輻射検出器として利用可能であること、を実証した。これらの成果により、グラフェンは今後の熱エネルギー利用に向けて有用な材料であることが確かめられた。
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