研究課題/領域番号 |
19H02549
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田島 健次 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00271643)
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研究分担者 |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
安藤 英紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (00735524)
佐藤 敏文 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80291235)
磯野 拓也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70740075)
甲野 裕之 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (70455096)
藤田 彩華 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (90782011)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | ナノセルロース / ネットワーク構造 / 徐放 / 腹膜播種 / 薬剤送達 / 表面修飾 / シランカップリング / グラフト化 / 表面改質 / 開環重合 / 副作用低減 / 毒性低減 / 酸素移動容量係数 / 腹腔内滞留性向上 / ボトムアップ / バイオリファイナリー / セルロース合成菌 |
研究開始時の研究の概要 |
セルロース合成菌を通気撹拌培養することによって得られるナノフィブリル化バクテリアセルロース(NFBC)は、分散性、均一性、混和性、成形性、生体適合性に優れ、超高アスペクト比のナノファイバーからなる緻密なネットワーク構造を有しており、これまでにNFBCが薬剤の保持・放出能を有し、がんの病態の一種である腹膜播種に有効であることを確認している。本研究では、NFBCにおける分子レベルの構造、マクロレベルでのネットワーク構造を明らかにすることによって抗がん剤の保持・放出のメカニズムを推定、さらにナノファイバーの表面修飾によって薬剤との相互作用を制御することで効率的に薬剤を送達することを目的としている。
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研究成果の概要 |
ナノフィブリル化バクテリアセルロース(NFBC)は、低濃度においてもせん断速度の増加に伴い粘度が低下するシェアシニング流動挙動を示し、その高いアスペクトによってネットワーク構造を形成していることが確認された。シランカップリング、グラフト化などの様々な表面修飾法に関する検討をおこない、NFBCに新たな機能を付与することに成功した。薬剤送達に関しては、その緻密なネットワーク構造の中に抗がん剤を補足することで、毒性を抑制するとともに腹腔内で効率的にがん細胞に送達させることが可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レオメーターを用いた粘弾性測定の結果から、NFBC は水中においてその高いアスペクト比に基づいて緻密なネットワーク構造を有していることが確認された。これらの知見は今後NFBCを活用するうえで有用な情報となる。また、本研究においてシランカプリング、グラフト化などの様々な表面修飾の可能性が確認され、これらの手法は薬剤との相互作用をコントロールすることだけでなく、様々な分子との相互作用の制御に活用できると考えられる。NFBCは糖質などの低分子バイオマスを原料として作られる環境循環型の材料であり、今後更なる用途開発と社会実装によって循環型社会の構築に貢献したいと考えている。
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