研究課題/領域番号 |
19H02561
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
野内 亮 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70452406)
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研究分担者 |
永村 直佳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (40708799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 原子層半導体 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 二硫化モリブデン / グラフェン / エッジ終端化 / ダングリングボンド / エッジ状態 / ギャップ内準位 / 多層 / ヒステリシス / 移動度 / 電界効果トランジスタ / フッ素終端 / フェルミ準位ピニング / 膜厚不均一性 / 異常な伝達特性 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のシリコン等の3次元半導体と違い、面内で結合が閉じた2次元構造を有する原子層半導体の場合、ダングリングボンド(以下DB;化学結合の相手を失った状態)は主に端(エッジ)に存在する。エッジ構造自体は1~数原子の幅でしかなくとも、エッジDBが電気的特性に及ぼす悪影響はマイクロメートルスケールに渡る。本研究は、原子層半導体のエッジ状態が電気的特性に与える影響を詳らかにすると共に、異種元素や分子によるエッジ終端化でDB低減を図る。これまでのエッジ終端化研究の根本的な困難(エッジ終端化効果のみを切り分けることができない)を解決することで、「原子層半導体のエッジエンジニアリング」の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
エレクトロニクス素子の微細化に資すると期待される原子層物質であるが、微細化は原子層の狭細化を伴うことになると考えられる。その場合、細くなればなるほど増大する端(エッジ)の悪影響を低減するため、エッジの異種元素・分子による終端化が重要となる。本研究では、エッジ終端化効果の調査に適した試料として、分厚い原子層結晶を用いて代表的なエレクトロニクス素子である電界効果トランジスタを作製した。まず、その基本的特性を明らかにすることで、エッジ終端化効果の調査時の注意点を詳らかにした。次に、その結果を踏まえて、フッ素プラズマ処理によるエッジ終端化を行い、エッジ選択的終端化効果に関する情報を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子層物質は1~数原子の厚みしかないため、表面に吸着した外来原子・分子の影響を強く受ける。従って、エッジ終端化を目指して導入する異種元素や分子がエッジのみに吸着するならば良いが、表面にも付着してしまうと、エッジ終端化効果のみを観測することはできない。これが、原子層物質のエッジ終端化研究の根本的な難しさである。このような状況に対し、本研究では、エッジ終端化効果を表面吸着効果と切り分けて評価する方法論として、分厚い結晶を用いたバックゲート型電界効果トランジスタを用いる手法を試みた。この素子構造では電流の流れる部分が結晶厚さの分だけ表面から離れることを利用し、エッジ終端化効果のみの調査に成功した。
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