研究課題/領域番号 |
19H02563
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
丸山 隆浩 名城大学, 理工学部, 教授 (30282338)
|
研究分担者 |
成塚 重弥 名城大学, 理工学部, 教授 (80282680)
才田 隆広 名城大学, 理工学部, 准教授 (90710905)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | カーボンナノチューブ / XAFS / EXAFS / 触媒 / CVD / オペランド測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の構造制御に向け,触媒粒子からのSWCNT生成メカニズムの解明を目的とする。オペランド測定によるEXAFSスペクトル測定を行い,SWCNT生成中の触媒金属粒子の状態(粒径,結晶状態(液相か固相か),炭素固溶状態)を明らかにする。従来の環境型透過電子顕微鏡(TEM)観察では不可能であった,高温領域や高い原料ガス圧力下での触媒金属粒子の状態を分析し,触媒金属粒子の状態がSWCNT構造に与える影響を系統的に明らかにする。本研究の結果,エレクトロニクス応用において重要なSWCNTのカイラリティ制御に向けた指針が得られることが期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究では,通常の作製条件下での単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の生成過程を明らかにするため,アルコールCVD法を用いたSWCNTの生成中の金属触媒粒子に対してオペランドEXAFS測定を行い,触媒粒子の化学状態を明らかにした。触媒として鉄族元素(Fe,Co,Ni)に加え,白金族元素(Ir,Pt)を用いて実験を行ったところ,鉄族元素の場合には炭化が生じるのに対し,白金族元素の場合は金属状態を保っていることがわかった。また,鉄族元素の間でもFe,Co,Niの順に炭化が進んでいた。さらに,ナノ粒子である触媒の炭化状態がバルク状態の金属とは異なる振る舞いを示すことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ材料として注目されている単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の生成中の触媒粒子の化学状態を,X線吸収分光(XAFS)法を用いて明らかにすることに成功した。SWCNTの作製手法は確立しているが,その生成過程に関しては,未だ不明な点が多く,本研究の成果はSWCNTの実用化に向けて大きな意義があるといえる。また,本研究の結果は高温かつ原料ガス雰囲気下の金属ナノ粒子の化学結合状態がバルク状態とは異なることを示しており,ナノサイズの物質の物性研究において学術的にも重要な成果が得られている。今後のナノ材料の研究の発展に寄与することが期待される。
|