研究課題/領域番号 |
19H02564
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
川崎 英也 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50322285)
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研究分担者 |
山本 健 関西大学, システム理工学部, 教授 (10370173)
宮治 裕史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 超音波 / 金ナノクラスター / 音増感剤 / 活性酸素 / 音響キャビテーション / 酸化チタン / ヒドロキシラジカル / サイズ効果 / SDT / 超音波キャビテーション / 音増感作用 / 一重項酸素 / 量子ドット / 金クラスター / 超音波力学的療法 / 音増感 / 難治性感染症治療 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超音波照射で一重項酸素を高効率に発生する音増感剤(超音波に応答して活性酸素を生成する物質)として、金量子ドットを新規に創出することである。「超音波と量子ドッドとの相互作用」の観点から金量子ドットの音増感作用機構を明らかにし、超音波照射で一重項酸素を高効率に発生する金量子ドットの粒子設計指針を確立することで、他の量子ドット系にも適用できる「量子ドット音増感剤」という新たな領域を開拓する。量子ドットの音増感剤作用によって生成する一重項酸素による感染症細菌の殺菌作用、及び量子ドットの触媒的酸素生成能を利用して、難治性感染症である歯周病の超音波治療法を新たに開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、超音波キャビテーションにより金ナノクラスター(数十個の金原子集合体)を励起することで、酸化力の強い一重項酸素(1O2)が生成する機構(音増感作用)を明らかにし、殺細胞・細菌を局部的に行う超音波治療法へ展開することを目的とした。Au NCs音増感作用による高い1O2生成効率の達成にはAu NCsの自身の高い1O2生成量だけでなく、1O2による自己酸化による1O2損失が小さいことが重要であることが示された。金属と分子の中間の性質を持つ金144量体(Au144 NCs)が最も高い音増増感作用を示した。そして、生細胞に対する音増感剤Au144 NCsの効果を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超音波によって「音増感剤」を励起して生成する活性酸素で癌や感染症を治療する音響力学療法(SDT)は、数cm以上の生体深部に超音波が到達し、かつ目的箇所にフォーカスできる利点をもつ。本研究で見いだされた音増感剤Au NCsは、低毒性、高い安定性、表面官能基による機能性付与など、従来の音増感剤には無い優れた特徴を有する。これまで超音波は安全性の高い必須の医療診断技術(超音波エコーなど)として発展してきたが、「Au NCs音増感剤」を利用したSDTは、難治性感染症やガン治療に対しても適用が期待され、手術や放射線治療に替わる患者への負担が少ない「新たな低侵襲治療法」につながると期待される。
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