研究課題/領域番号 |
19H02570
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
橋口 原 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70314903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | MEMS振動子 / エレクトレット / 電波発電 / 誘電分離構造 / ワイングラスモード / 電波受信 / MEMS / 標準電波 |
研究開始時の研究の概要 |
電波時計用の標準電波は、その周波数が低いため減衰が小さく、山間部でも中波放送周波数なみの電波強度を持っている。本研究は山間部での自然災害を早期に発見できるメンテナンスフリーのシステム実現を目指して、標準電波を整流し蓄電する電波発電技術の実現を目指す。微弱な電波信号を整流できる電圧まで昇圧するために、当研究室で開発したカリウムイオンエレクトレットを用いて、300Vを超える直流バイアス電圧をMEMS共振子に与える。この共振子を高真空中で駆動することで高いQ値を実現し、数mVの受信電圧信号から充電できる電圧まで昇圧して、ダイオードによる検波回路を通してキャパシタンスに充電できるシステムを実証する。
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研究成果の概要 |
リング型MEMS振動子を用いて高いQ値を有するMEMS共振子を用いた、標準電波受信のための素子開発とそれを用いた充電実験を行った。1次試作においては、疑似アンテナで受信した信号を4倍程度昇圧できることを確認した。2次試作においては、ハンドル層に埋め込み酸化膜層を設ける新しいプロセスを開発し、寄生容量が極めて小さいMEMS振動子を作製することに成功した。しかしながら、全波整流回路による受信信号の充電実験では、MEMS共振子の反共振周波数で、約1.86倍の受信電圧の増大効果を確認することができたが、実用的には不十分である。今後静電トランス構造を導入し、電圧昇圧特性の改善を行っていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
標準電波からの蓄電を、高いQ値を有するMEMS共振子を利用した試みた初めての実験である。目標値には達していないが、MEMS共振子を用いて、アンテナ信号の電圧を昇圧できることを実証できた。素子の作製において、MEMS共振子の寄生容量を減少させるための、埋め込み酸化膜構造を新たに開発したが、この手法はMEMSデバイスの寄生容量を大きく減少させることのできる手法として有用であり、MEMSデバイスの感度向上や省エネルギーに寄与できるものと考える。
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