研究課題/領域番号 |
19H02581
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 浩之 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (80550045)
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研究分担者 |
鍛冶 静雄 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00509656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 液晶 / 光配向 / トポロジカル欠陥 / 配向場 / トポロジー |
研究開始時の研究の概要 |
液晶は広くディスプレイに用いられる棒状の分子材料であり、通常は2枚のガラス基板の間に保持されます。ディスプレイ中では、液晶分子は比較的広い面積で一様に配向していますが、本研究では、液晶が並ぶ方向を精密に制御することで新たなる機能の創出を目指します。具体的には、液晶配向場のもつトポロジーという性質に着目し、電圧印可によって複数の配向状態間を切り替える機構の確立を目指します。切り替えたそれぞれの状態が安定であることを利用し、従来の液晶素子のように常時電圧を必要とせず、切り替え時のみ消費電力を必要とする、超低消費電力のスイッチングデバイスの実現を目指します。
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研究成果の概要 |
液晶はディスプレイ等に用いられる光学材料であるが、従来のデバイスでは棒状分子は比較的広い面積で一様に配向している。本研究では素子を構成するガラス基板の表面配向方位をそれぞれ空間的に分布させることで、ディスクリネーションやウォールなど、これまで過渡的にしか見られなかった局所的な高エネルギー秩序構造を安定化し、電界によって切り替えができることを明らかにした。これの成果を通し、棒状分子の局所的な再配向に加えて数ミクロン大の高次構造が変調される新しい液晶のスイッチング原理の基盤的知見を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究以前にはトポロジカル欠陥の安定化の例は存在したが、ウォールなど非特異的な構造の安定化の報告はなかった。本研究により、従来は過渡的にしか観察されなかった高エネルギー構造を人為的に安定化し、制御できることを実験と理論から明らかにした意義は大きい。 液晶はディスプレイ等に実用化されている光スイッチング材料であるが、既存のスイッチング原理では応答特性に限界が見えていた。本研究の成果により、液晶における複雑な秩序構造を制御する新規手法を見出したことから、新しい原理に基づくデバイスなどへとつながることが期待される。
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