研究課題/領域番号 |
19H02582
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大野 恭秀 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (90362623)
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研究分担者 |
永瀬 雅夫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (20393762)
金井 康 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30721310)
前橋 兼三 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40229323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | グラフェン / バイオセンサ / エピタキシャル / 単結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
「デバイ長の制限を受けない」グラフェンFET型バイオセンサの開発を目的とする。近年、本研究課題代表者のグループでは、ウエハスケールの単結晶グラフェン膜合成技術を確立し、デバイス応用を進めている。特にタンパク質の帯電状態の正負に関わらず同様な電気特性のシフトが得られることに注目する。従来のFETバイオセンサでは、デバイ長を超える大きさの検体は、遮蔽効果により検出できない。しかしながら、電荷移動による電気特性の変化をセンサの原理とする場合は、この制限を受けずに対象を検出することができる。本研究課題ではこの新しいセンサの基礎技術確立と開発を行う。
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研究成果の概要 |
大面積・単結晶のエピタキシャルなグラフェンであるSiC基板上のグラフェン膜を利用したグラフェンFETを用いて、グラフェンの本質的な吸着特性を明らかにすると共に、電荷移動型のセンサデバイスを作製する。これまで研究されてきたCVD法によるグラフェンデバイスでは、センサ特性に再現性が見られないことが大きな問題であったが、単結晶であるエピタキシャルグラフェンを用いて、ポリマー残渣がないデバイス作製プロセスを適用することで、再現性が極めて良い吸着特性を得ることができた。結果、グラフェンへのタンパク質吸着は電荷移動型であることが判明し、タンパク質を構成するアミノ酸によって吸着特性が決まることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果により、これまでグラフェンを用いたバイオセンサにおける再現性の問題は飛躍的に改善されたと言える。計画段階で提案したとおりセンサ材料として用いる場合は、グラフェンの単結晶生が非常に重要であり、またレジストフリーなデバイスプロセスのような、清浄な表面を維持できるようにすることも重要であることが分かった。また、最大の結果としてグラフェンとタンパク質との吸着特性は単純な電荷移動ではなく、電子がグラフェンに移動する電子移動が支配的であることが分かったことである。これにより非特異吸着による影響を評価することが可能になった。 さらに抗体修飾デバイスによりデバイ長の外側にある抗原の検出に成功した。
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