研究課題/領域番号 |
19H02589
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 伸伍 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80732362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 界面構造・界面物性 / イオン液体 / イオン液晶 / 液晶性有機半導体 / ガラス転移 / その場観察 / 電気二重層トランジスタ / 表面・界面 / 固液界面 / 液晶 / 表面ゆらぎスペクトル / MAIRS / トランジスタ / 薄膜 / 薄膜成長 / 界面 / 赤外分光 / 有機半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
液体・液晶は固液界面においてバルクとは異なった構造や性質を示すことが知られている。これまでの固液界面の実験的研究の主流は、バルク液体に埋もれた固液界面が舞台であった。しかし、埋もれた界面は限られた方法でしか調べることができない。そこで、本研究では、ナノレベルで制御された液体・液晶薄膜という”むき出しの固液界面”をつくり、その静的および動的な構造・物性・機能を調べる、固液界面研究における薄膜アプローチを確立する。さらに、このような液体・液晶超薄膜がもつ特異的性質を活用した、新しい材料プロセスやデバイスを提案する。
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研究成果の概要 |
液体・液晶を真空蒸着により薄膜化することで、“むき出し”の固液界面をつくる薄膜アプローチによって、非界面敏感な分析手法を用いて固液界面の情報を得る基礎技術を開発した。その結果、イオン液体が基板界面近傍ではバルクとは異なる機械特性をもつことが示唆された。また、温度を変化させたその場観察によって、イオン液体や液晶材料の薄膜におけるガラス転移や結晶化過程の膜厚依存性を明らかにした。応用の観点からは、イオン液体-ポリマー複合電解質薄膜を用いた電気二重層トランジスタを実現したほか、イオン液晶薄膜における電気二重層形成を確認し、固液界面を利用した液体・液晶薄膜デバイス実現へ向けた足掛かりを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固液界面はさまざまな化学プロセスやデバイスの鍵を握っているから、その情報を実験的に得ることは極めて重要である。本研究は、薄膜化によって固液界面のみを取り出すことで、従来の界面敏感な分析手法に依存せず、表面またはバルク敏感な手法を用いても固液界面に関する知見を得られることを示した点で学術的に大きな意義をもつ。さらに、これまで比較的バルクスケールで使われることの多かった液体・液晶材料を、ナノメートルオーダーの薄膜デバイスへ応用できることを示したことは、次世代のフレキシブルエレクトロニクスを担う材料とプロセス技術を創出するという観点からも、大きな社会的意義を有している。
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