研究課題/領域番号 |
19H02595
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2020-2021) 電気通信大学 (2019) |
研究代表者 |
宮町 俊生 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (10437361)
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研究分担者 |
小森 文夫 東京工業大学, 物質理工学院, 研究員 (60170388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / 走査トンネル顕微鏡 / 近藤効果 / スピン / スピン偏極STM / 電子相関 / トポロジカル近藤絶縁体 |
研究開始時の研究の概要 |
強い電子相関を示し、極低温で金属絶縁体転移を起こすYbB12は近年、トポロジカル近藤絶縁体として理論的に予測され、強相関電子系特有の新奇なトポロジカル量子現象の発現が期待されている。そこで、本研究では、走査トンネル顕微鏡を用いてYbB12の表面状態を3次元(面直・面内方向)に軌道・スピン分解してその起源や発現機構を原子スケールで解明し、強相関トポロジカル絶縁体を将来的なデバイス応用に繋げるための基盤研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではトポロジカル近藤絶縁体候補物質であるYbB12のスピン偏極した表面状態を電子相関の観点からスピン・電子軌道ごとに分解して原子スケールで明らかにすることを目的に、各種STM測定を実施した。大面積で均一な表面作製法を確立したYbB12表面の軌道分解STM観察および、準粒子干渉計測を行い、YbB12に発現した金属表面状態への各電子軌道(s,p軌道およびd, f軌道)の寄与を分離して実空間・波数空間から議論することができた。さらにスピン分解STMによるYbB12表面のスピン状態検出に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、トポロジカル近藤絶縁体候補物質YbB12の金属表面状態をSTMによりスピン・電子軌道ごとに分解して評価できることが明らかになった。このことは、強相関電子系特有の新奇なトポロジカル量子現象の発現が期待される系においてSTMが新規機能性の発現機構を理解する上で強力な手法であることを示している。本研究成果によって、強相関トポロジカル絶縁体のみならず、表面数原子層の様々な電子軌道のスピンが物性を担い、かつ将来のデバイス応用が見込まれる系の新しい研究展開が期待できる。
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