研究課題/領域番号 |
19H02598
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 圭 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40335211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 固液界面 / エネルギー散逸 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、液中で動作する周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いて、原子・分子レベルでの表面構造、水和・溶媒和構造、電荷分布が可視化できるようになってきた。一般に、AFM探針と試料との間にはたらく相互作用は保存的相互作用と散逸的相互作用に分けられるが、これまではこれらを分離して計測することが困難であった。本研究課題では、散逸的相互作用を高精度に分離測定し、散逸的相互作用から試料の構造・水和・電荷・機械的特性(機械的安定性や粘弾性)・生体分子間相互作用等に関する情報を得る技術を開発する。
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研究成果の概要 |
液中で動作する周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いて、DNAオリガミに固定したタンパク質分子(streptavidin)を対象に3次元フォースマッピング計測を行い、タンパク質分子の分子変形量の推定および電荷密度分布の計測に成功した。一方、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)がその水溶液中でグラファイト基板上に形成する半ミセルと、探針先端に同様に形成されたミセルとの融合・分離の過程を散逸エネルギー計測により明らかにした。さらに、高度好塩菌の紫膜のタンパク質(バクテリオロドプシン)のKCl水溶液中でのフォースマッピング実験により、局所的な水和構造の存在を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固液界面は、結晶成長や触媒反応などのさまざまな物理・化学反応の反応場として、また一方、生体分子が機能を発現する活性場として極めて重要な役割を担っている。本研究で明らかにされた固液界面、生体分子表面の原子・分子レベルの構造や水和構造、また散逸エネルギー解析によって明らかとなった粘性との相関に関する知見により、固液界面における物理・化学反応を利用したデバイスの高機能化や、生体分子機能の理解に繋がることが期待される。
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