研究課題/領域番号 |
19H02599
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森井 克行 大阪大学, 工学研究科, 招へい教授 (70303352)
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研究分担者 |
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172254)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 有機電界発光素子 / 高周波駆動 / 有機無機界面 / 高周波数駆動 / キャリア注入 / 電子注入 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界に先駆けて開発した大気下でも安定に駆動できる無機材料を有する有機EL素子の高周波数駆動化に関する。無機材料を有する有機EL素子の要である無機物と有機物の界面に着眼点を置き、その中でもキャリア注入速度に注目した。該界面でのキャリア移動速度は、色素増感太陽電池においても重要視され、分子レベルでの光学的測定が行われてきた。本研究では、それに加え、インピーダンス分光や過渡電流測定などの電気的測定およびデバイス測定を連動させることで、分子から薄膜、そしてデバイスへの連側的理解を試みる。これら総合的な検討により、有機EL素子の高周波数駆動化を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は有機電界発光素子の高周波数駆動に関する。研究指針は、電荷の輸送と注入の2点に着目し、前者は無機層の導入による効果を検証し、後者は界面制御による分極の効果に期待し測定手法確立を目指した。 前者の実現には、研究代表が開発を進めている酸化物層を有する有機無機ハイブリッドLEDを用いることで実現し、通常の有機LEDでは発光が確認できない1MHzにおいても発光を確認した。この要因は界面制御に用いる有機バッファ層による電子ドーピングであることが示唆された。電子注入速度の測定手法を確立するべく、時間分解2光子光電子分光法に着目し注入速度の見積もる手法として可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スマートフォンなどで使われている有機ELは、原理的にラップのように薄いフレキシブルな光源として実現可能なデバイスである。しかしながら、そこに供給する電源は硬くその魅力を阻害している。本研究の成果は高周波数での駆動の可能性を見出したものであり、これは無線給電を容易に実現し、フレキシブルな光源の可能性を示すものである。また、その要素として電子の注入速度見積もり手法の提案も行った。この物性値の見積もりはこれまで例がなく学術的観点においても興味深い成果といえる。
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