研究課題/領域番号 |
19H02600
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 順 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教授 (40335071)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 電子線トモグラフィー / 密度定量 / 多重散乱 / 非線形強度減衰 / 透過率減衰 / 電子顕微鏡 / 電子線透過率 |
研究開始時の研究の概要 |
物質に入射した電子線の多重散乱がもたらす電子顕微鏡像への影響を精密に計測し、像強度と物質厚さの関係を定量解明する。加速電圧80kV~3000kVという幅広い条件で、様々な組成の物質を用いて電子線の散乱角度分布とTEM/STEM像強度の厚さ変化を系統的に計測し、実験結果を高精度かつ幅広く再現するユニバーサル関数の導出を目指す。この関数形に基づき、未知組成の材料内部の密度分布を正しく三次元再構成できるアルゴリズムを開発する。これによってナノ・ミクロンスケールの結晶・非結晶材料に対し、その形状だけでなく内部密度まで正しく三次元計測する手法、すなわち「密度定量トモグラフィー」の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
全角傾斜試料ホルダーの製作とサブミクロンサイズ試料の取り付け技術の開発を行い、トモグラフィー再構成に重要な画像アライメントの新手法を開発することにより、三次元形状を高精度に再構成できる汎用性の高い手段を確立した。また三次元密度も高精度に再現するために、物質厚さと電子顕微鏡像強度の非線形関係を調べ、その結果に基づく非線形処理手法をノイズを含む実験画像に施す方法も確立した。これによって本課題の目的である密度定量電子線トモグラフィーの手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長年にわたり物質厚さと電子顕微鏡像強度の関係式が未解明であったが、電子顕微鏡の2大観察方式であるTEM像もSTEM像も数式で表せることになり、高エネルギー電子の多重散乱過程の理解につながる学術的意義のある成果が得られた。また汎用電子顕微鏡の観察スケール(ナノメーター)とX線による観察スケール(マイクロメーターからミリメーター)をつなぐサブミクロンスケールの物質の三次元構造を高精度に観察できるようになったため、そのサイズの物質群を活用した科学技術や応用技術への貢献が期待できる。
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