研究課題/領域番号 |
19H02610
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
清水 祐公子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (30357222)
|
研究分担者 |
入松川 知也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (00828056)
中野 享 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20357643)
浦野 千春 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (30356589)
大久保 章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30635800)
稲場 肇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (70356492)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
|
キーワード | 気体温度計測 / 温度標準 / 熱力学温度 / デュアルコム分光 / 光周波数コム / 分子分光 / 気体温度 / 分光温度計 / 分子 / 温度測定 / 光コム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2台の光コムを用いたデュアルコム分光技術により高精度・高速温度計測システムを確立し、今年改定予定の新定義に基づく熱力学温度を具現し、現行の国際温度目盛に代わる、新たな温度標準の構築を目指す。我々はデュアルコム分光を用いた分子の吸収分光に基づく、新しい温度計測法 (RDT)を提案し、室温で1 K以下の精度で熱力学温度を計測する技術を確立した。本研究では、RDT法を高精度化し、約-160 ℃から500 ℃までの広い温度範囲を数十~数 mKで測定できる精密な熱力学温度計測技術を確立する。また、現行の国家標準である温度標準器と測定対象分子を直結させる新方式で、新旧の定義による温度を即時比較する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、RDT法を高精度化することを目的とし研究を進めた。本手法は光コムの強度スペクトルを利用し温度を求めるため、スペクトル強度(縦軸)の高安定性が必須である。一方で光コムは、これまでスペクトル強度が長期的に安定していないという課題があった。今回、コサイン類似度という指標を導入することでコムの長期安定度を世界で初めて検証し、光コムを用いた熱力学温度の測定を支える最も重要な要素技術を確立した。長期的に安定している光周波数コムを使うことで、温度決定の標準偏差が√Nで減少していることが示された。現時点では、温度決定の際のモデル式によるフィッティングエラーは0.2 ℃程度である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SI単位に基づいた温度は、熱力学の法則に従って決定される熱力学温度により測定されるべきである。しかし実用としては、1990年国際温度目盛(ITS-90)が利用されており、これは物質の凝固点など物性値に基づいて与えられている。しかし、2019年に熱力学温度の単位ケルビンは、ボルツマン定数を媒介とする定義に改定された。これにより、気体分子の熱平衡状態からボルツマン定数を介して熱力学温度を求められる本手法は、ケルビンの新定義に直結できることになる。そしてこの手法の高精度化は、ITS-90と熱力学温度の差異の検証につながり、さらにはITS-90を必要としない新定義に基づく温度標準として適用出来る。
|