研究課題/領域番号 |
19H02612
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
矢口 裕之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50239737)
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研究分担者 |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 教授 (40251491)
高宮 健吾 埼玉大学, 研究機構, 専門技術員 (70739458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 太陽電池 / 希釈窒化物半導体 / 第一原理計算 / 電子局在状態 / アップコンバージョン発光 / 二波長励起フォトルミネッセンス / 非発光再結合 / 非発光再結合中心 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の量子ドットやエネルギーバンドの分裂を利用した方法とは異なる、希釈窒化物半導体における電子局在状態を介した2段階光吸収を活用するアプローチで中間バンド型太陽電池の変換効率向上の可能性を追求することを目的とする。そのために、電子局在状態が2段階光吸収に対して有効に機能するように第一原理計算に基づいて設計した窒素組成変調構造をエピタキシャル成長によって作製し、多波長励起フォトルミネッセンス測定で2段階光吸収の特性を評価する。以上の変換効率向上の可能性を追求した研究成果を踏まえて、中間バンド型太陽電池を試作し、特性を評価する。
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研究成果の概要 |
希釈窒化物半導体における電子局在状態を介した2段階光吸収を活用するというアプローチで中間バンド型太陽電池の変換効率向上の可能性を検討した。スーパーセル法に基づく第一原理計算から、GaPN中の窒素原子配列がバンドギャップエネルギーを大きく変化させ、電子局在状態を形成する要因となることが明らかになった。二波長励起フォトルミネッセンス測定の励起強度依存性と試作した太陽電池の光電流特性から、バンドギャップよりも高エネルギーの光と低エネルギーの光とが太陽電池の効率向上につながるような光生成キャリアの増加を相乗的にもたらすことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギーのさらなる活用が望まれる中で主要な役割を担う太陽光発電への期待は大きい。中間バンド型太陽電池は高い変換効率を有する太陽電池の一つとして期待されているが、実現には至っていない。本研究では、従来とは異なる、希釈窒化物半導体における電子局在状態を介した2段階光吸収を活用するアプローチについて検討した結果、波長の異なる光が相乗的に効率向上をもたらす可能性を見出した。また、効率向上の妨げとなる要因の存在を明らかにし、今後、太陽電池の効率向上のためのさらなる取り組みへの指針を得ることができた。
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