研究課題/領域番号 |
19H02628
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 俊輔 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90431874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 超高速分光 / 超短パルスレーザー / 水の窓 / 軟X線 / マイクロフルイディクス / 高次高調波 / 液相 / 過渡吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロフルイディクス(微小流体工学)を駆使して厚さ約1マイクロメートルの液体薄膜を生成し、水の窓(波長2.3~4.4ナノメートル)軟X線による液相の時間分解測定を実現させることを目的とする。水の背景信号に埋もれた溶質分子からの微かな信号を選択的に検出できる、分子の電子状態や構造の変化を鋭敏に検出できる、といった特徴は反応ダイナミクス研究に大きな革新をもたらす。
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研究実績の概要 |
赤外の高強度光パルス(波長1.9 μm、パルス幅20 fs、パルスエネルギー1.0 mJ)をドライブレーザーとする高次高調波発生により、CおよびN原子のK吸収端をカバーする水の窓軟X線を得た(カットオフ~400 eV)。液体試料チャンバーの中央に配置したマイクロ流体チップにより生成した液膜ジェットが、真空中で安定に動作することを確認した。トロイダル鏡を用いて、この液膜ジェットに軟X線パルスを集光し、過渡吸収測定におけるプローブ光とする。また、マルチプレートスペクトルブロードニング法とシングルパス三倍波発生とを組み合わせて得られた20 fsの深紫外光パルスを、ポンプ光とする。軟Ⅹ線プローブ光のパルス幅は20 fsより十分に短いため、水の窓域での過渡吸収スペクトルを20 fsの時間分解能で測定することが可能である。気相のN2分子を試料として用い、N原子のK吸収端付近において、先行研究と同程度のエネルギー分解能(~1 eV)が実現できていることを確認した。液相のエタノールを液膜ジェットとして真空チャンバー内に導入し、その透過スペクトルを測定した。軟Ⅹ線の透過率から推定されるエタノール液膜の厚さは0.6 μm程度である。軟Ⅹ線分光の特徴である元素選択性を生かして、水由来の背景信号に埋もれた溶質分子からの微かな信号を捉える、また溶媒効果(孤立系と溶液中の違い)に関する比較研究を行うなど、反応ダイナミクス研究における新たな「窓」としての活躍が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
<eVのエネルギー分解能、20 fsの時間分解能で、水の窓軟Ⅹ線域での気・液両相の過渡吸収分光測定が可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
N原子を含むヘテロ環状分子を試料とし、その光化学反応ダイナミクスを水の窓域軟Ⅹ線による液相の過渡吸収装置により観測することで、同装置の性能評価を行う。その後、錯体反応や触媒反応、生体分子の反応へと応用範囲を広げていく。
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