研究課題/領域番号 |
19H02630
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 淳一 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90273606)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
|
キーワード | メタマテリアル / メタサーフェス / ミー共振 / シリコン / 二酸化バナジウム / 多重極子 / 完全吸収体 / 金属・絶縁体相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
誘電体にサイズと同程度の波長の光が入射するとミー共振がおきる。ミー共振では多重極子の励起によって光が共鳴的に散乱される。本研究は高屈折率誘電体である単結晶Siをベースとしたミー共振器の上部に金属層を付加することにより多重極子の励起を選択的に制御する方法を確立し、これを赤外メタサーフェス素子として応用することを目的とする。 金属層の形状や材料を変えた場合の効果を探索する。また、金属・絶縁体相転移材料である二酸化バナジウム(VO2)などを用いて赤外域の反射・透過スペクトルの動的な制御を行う。これらを通じてミー共振器における多重極子エンジニアリングを確立する。
|
研究成果の概要 |
単結晶シリコンを用いたメタサーフェスとよばれる非常に薄い平面光学素子のための光波の制御方法に関する研究を行い、以下の成果を得た。1)高感度の屈折率検出器や誘電体のみによる完全吸収体を実現、2)ミー共振による熱光学効果によりシリコンの有効非線形屈折率がバルクの10万倍以上に増強されることを見出し、これを光・光スイッチング素子へ応用、3)酸化バナジウムの金属絶縁体相転移を利用した新しい原理の光変調素子の提案。 これらは高感度の赤外光検出器、全光スイッチング素子、適応型放射冷却素子などに応用できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、ムーアの法則に沿った電子集積回路の性能向上が限界にきており、シリコンフォトニクスと光インターコネクションによる低消費電力化が求められている。本成果はシリコンをベースとしているため低損失で、シリコンフォトニクスのとの整合性も良い。熱光学効果による光・光スイッチングは縦型の能動シリコンフォトニクス素子への新しい展開が期待できる。本成果はこれまでほとんど活用されてこなかった磁気双極子や四重極子を利用した具体的な素子の動作を実証したことで、学術的に意義があるだけでなくバイオセンシングや赤外光検出器などの応用にも新たな道を拓くといえる。
|