研究課題/領域番号 |
19H02637
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
増子 拓紀 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60649664)
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研究分担者 |
小栗 克弥 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, フロンティア機能物性研究部, 部長 (10374068)
石澤 淳 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, フロンティア機能物性研究部, 主任研究員 (30393797)
加藤 景子 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40455267)
日達 研一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (60564276)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | アト秒科学 / アト秒パルス / 超高速物理 / 高強度物理 / 超高速光学 / 量子エレクトロニクス / 原子・分子光学物理 / 量子光学 / 原子分子光学 / 量子光エレクトロニクス / 原子分子光学物理 / 光物性 / 物性実験 |
研究開始時の研究の概要 |
可視・紫外領域の光電界により誘起される分極応答(誘電分極)は、ペタヘルツ(1015 Hz:PHz)級の高い周波数を有するため、超高速の運動過程を持つ電子の振動応答が強く寄与している。これらの電子振動は、吸収・反射・屈折・発光・電流等の様々な光物性現象を生み出し、発光ダイオードや太陽電池、光合成等を通して我々の生活に欠かせない物理応答となっている。本研究では、新規的かつ高感度計測が可能なアト秒屈折分光法の実現を目指すと共に、電子・光デバイスの電子応答特性の解明に向けた挑戦を行い、アト秒科学分野を新領域に展開すると共に、産業界においても重要な役割を創出することを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、真空紫外領域にて発生する100京分の1秒のパルス幅を持つアト秒パルス光を用いて、ペタヘルツ(1000兆ヘルツ)超高周波数領域の電子物性を観測することを目的としている。 本研究では、物質の複素応答(実数と虚数)の同時計測を可能とするため、世界最短級の2つのアト秒パルスを用いた超広帯域のスペクトル位相干渉光学系を構築した。また、超高速の運動過程を持つ原子系の内殻電子に対する過渡屈折分光(過渡位相分光)に成功した。本成果は、超高速領域における電子の波動性(波束・双極子位相・複素誘電率など)を調査する上で極めて重要であり、新たな電子のコヒーレントな波動制御を創生する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極端紫外(XUV)の単一アト秒パルス(IAP:isolated attosecond pulse)光源は、100京分の1秒という極限的な時間分解能を有した光源であり、超高速で運動する電子の直接的な時間観測を可能とする。電子に対する複素応答(実数と虚数)の同時計測を実現するためには、広帯域かつ連続スペクトルを持つIAPの位相情報を加えた分光計測が望ましい。本研究では、世界最短級の2つのIAP(ダブルアト秒パルス)を用いて、超高速の運動過程を持つ内殻電子に対する過渡屈折分光を実現した。本成果は、物質中の電子の波動性(波束・双極子位相・複素誘電率など)を調査する上で重要な知見と成り得る。
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