研究課題/領域番号 |
19H02639
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐々木 一哉 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70631810)
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研究分担者 |
向井 啓祐 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70807700)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | リチウム / 同位体濃縮 / 電気透析 / 核融合 / 増殖材料 / 核融合炉 / 原理 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合炉実現の最大の課題は、燃料となる三重水素の製造に不可欠なリチウム同位体(6Li)濃縮技術の開発である。研究代表者は、電気透析技術に基づく新たな6Li濃縮原理を考案し、1段の濃縮工程での濃縮比率1.11を達成した。これは提唱されている電気透析での理論的最大濃縮比率(1.08)を上回り、従来提唱されていた原理とは異なる機構で濃縮が生じていることを示唆する。推定している機構によれば、1段の工程だけで極めて高濃度に濃縮できる可能性もある。本研究では高い濃縮比率を実現した原理を解明する。更に、濃縮方法や条件を最適化し、より高い濃縮率を達成する。実用化装置の開発に向け、濃縮速度の向上方法も検討する。
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研究成果の概要 |
我々の過去の研究で高い同位体濃縮率を実現した特殊な電圧プロファイルを印加する電気透析によるリチウム同位体濃縮において、大きな同位体濃縮率を得る機構の解明に向けて研究した。 同位体濃縮は、表面の吸着解離と電解質中のイオン移動の二つの過程で生じ、低温ほど後者における寄与率が増大することが判明した。6Liと7Liの移動速度の温度依存性を調査し、移動の活性化エネルギーに違いがあることを解明した。この結果から、低温ほど同位体濃縮率が大きくなることが判明した。更には、スケード装置を試作して同位体濃縮率の時間経過も調べた結果、同位体比は時間経過に伴い天然同位体比に向かって徐々に低下することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
質量数6のリチウム同位体(6Li)を90%以上に濃縮するための技術を開発するための有望な技術の一つであるリチウムイオン伝導性固体電解質を隔膜とする電気透析技術を高度化し、あるいはカスケード化することで実用化するために必要な、基礎的知見を獲得した。本技術は、21世紀中ごろに実用化が望まれている核融合炉発電における最大の課題の一つである6Li同位体濃縮率を高めたリチウムを提供するといった社会的意義がある。また、電気透析時の同位体による挙動の違いを解明するという点で学術的意義がある。
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