研究課題/領域番号 |
19H02640
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小林 悟 岩手大学, 理工学部, 教授 (30396410)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 照射硬化 / 圧力容器鋼 / 磁気特性 / 原子力材料 / 磁性 / 照射効果 / 照射損傷 / 中性子照射 / 磁気計測 / 照射脆化 / 非破壊検査 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気1次反転曲線(FORC)法は近年急速に発展しつつある磁気的手法であり、磁性材料特性の平均値を評価する磁気ヒステリシス法では得ることができない保磁力分布及び相互作用分布を同時に評価可能である。本研究では、ポータブル型FORC測定装置を開発し、国内外の研究施設が保管する中性子照射済み試験片についてFORC測定を系統的に実施することで、照射脆化に対する新たな磁気的非破壊評価法として、FORC法の有用可能性を検証し総括する。
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研究成果の概要 |
本研究では、保磁力分布や相互作用分布を同時に評価可能な磁気1次反転曲線(FORC)法による照射硬化の磁気的評価の可能性を検証した。誘導起電力型のFORC測定装置を用いて、計9種類・8照射条件について、約150個の試料のFORC測定を実施した。殆どの試料で、FORC図上で明瞭な単一FORC分布ピークが観測された一方、FORC分布ピークの位置及び幅が照射量に依存することが分かった。FORC法を用いることで、照射誘起ナノスケール欠陥密度の増大効果だけでなく、その空間分布特性も捉えることが可能であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
照射脆化の非破壊評価技術の開発は緊急課題であり、その中で磁気的手法は有用な手法の一つとして長年研究されてきている。1条件あたり1つの磁気パラメータを得る従来法に対して、1条件あたり2次元のFORC図情報を得る本手法により、照射誘起ナノスケール欠陥の形成過程に関する情報を、磁気的不均一性や磁気相互作用の観点から付加的に取得可能であることが分かった。照射硬化などの材料劣化の非破壊評価法として、磁気的手法の有用性の高さを示した本成果は、学術的及び社会的意義がある。
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