研究課題/領域番号 |
19H02642
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 豊 東北大学, 工学研究科, 教授 (10260415)
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研究分担者 |
宮崎 孝道 東北大学, 工学研究科, 技術専門職員 (20422090)
阿部 博志 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30540695)
竹田 陽一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40374970)
青木 聡 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (60546175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 隙間腐食 / ステンレス鋼 / 塩化物イオン / モリブデン酸塩 |
研究開始時の研究の概要 |
予期せぬ事由により原子炉1次系への海水混入が生じた場合の対策技術として、 ①緊急期:構造材料の腐食発生抑止および発生した局部腐食(隙間腐食)の不活性化 ②復旧期:隙間内環境浄化の加速と隙間内不動態化の保証 の2つを、水化学技術(非有害アニオンの利用)により実現する手法を開発するとともに、実構造物を想定した場合の有効性を検証する。 実験による定量的実証(実機模擬複雑形状についてはトレーサー試験を利用)を基本とし、マルチフィジックス計算を併用して多様な条件下での予測・評価技術への展開を図る。
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研究成果の概要 |
軽水炉1次系への海水混入時のステンレス鋼製構造物腐食対策として、【1】緊急期:構造材料の腐食の発生抑止および発生した局部腐食(隙間腐食)の不活性化、【2】復旧期:隙間内環境浄化の加速と隙間内不動態化の保証を実現する手法を提案し、その有効性を示した。原理が明確かつ系統内全域に適用可能な水化学技術によってこれらを実現する技術の基礎を確立することが、本研究の目的である。具体的には、モリブデン酸イオン等の非有害アニオンを含む塩をバルク水に適量添加することおよび非有害アニオン含有塩の添加と純水置換とを交互に繰り返すという簡便な手段により、上記を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の原子力発電設備は海沿いに立地し、ヒートシンクとして海水を利用していることから、常に1次系への海水混入の潜在的可能性がある。実際に、復水器の損傷に起因して、400トンあまりの海水が炉内1次系に流入した事例が、最近我が国で経験されている。本研究は、軽水炉1次系への海水混入時のステンレス鋼製構造物腐食対策として、2段階の技術的備え、すなわち、【1】緊急期:構造材料の腐食の発生抑止および発生した局部腐食(隙間腐食)の不活性化、【2】復旧期:隙間内環境浄化の加速と隙間内不動態化の保証を実現する手法を開発するための基礎研究であり、原子力発電設備のリスク低減に寄与するものである。
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