研究課題/領域番号 |
19H02643
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笠田 竜太 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20335227)
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研究分担者 |
近藤 創介 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10563984)
余 浩 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10825871)
福元 謙一 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (30261506)
安堂 正己 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所核融合研究所 核融合炉材料研究開発部, 主幹研究員 (30370349)
松川 義孝 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70566356)
藪内 聖皓 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70633460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 超微小試験技術 / 照射硬化 / 照射脆化 / 析出物 / 界面 / イオン照射 / 圧力容器鋼 / 低放射化フェライト鋼 / ナノインデンテーション / マイクロピラー圧縮試験 / 核融合炉材料 / 原子炉材料 / ODS合金 / マイクロピラー / 材料強度 / 不均一性 / スケール性 / 統計的性質 |
研究開始時の研究の概要 |
原子炉・核融合炉構造材料の「照射脆化」の機構論的理解と、それに基づく予測モデルの構築は、これらの材料を用いる機器の安全性の確保・向上において極めて重要である。この中で、材料強度変化-照射脆化相関については均一材を想定した半経験論的モデルに依存しており、照射後の変形・破壊における材料組織・構造の不均一性やスケール性の影響は考慮されておらず、材料強度変化と照射脆化の相関にミッシングリンクが存在している。本研究では、ナノインデンテーション法やマイクロピラー圧縮試験等の超微小試験技術を駆使して、微細組織要素の材料強度特性・変形・破壊の不均一性やスケール性の影響を直接的に明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、、ナノインデンテーション法やマイクロピラー圧縮試験等の超微小試験技術を駆使して、原子力・核融合材料のミクロスケールでの変形・破壊現象を直接的に評価することに成功した。酸化物分散強化合金、原子炉圧力容器鋼、タングステン被覆界面における変形・破壊挙動のスケール性に及ぼす微細組織因子や照射影響を明らかにした。特に照射脆化の要因とされるミクロ組織変化とマクロな変形・破壊現象の間にあるミッシングリンクを繋ぐ析出物や界面の力学特性を直接評価することが可能となり、これまでに考慮されていなかった微細組織因子に対する照射影響を照射脆化モデルに統合するための道筋を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、既存の原子炉に用いられている圧力容器鋼や、未来のエネルギー源として開発が進められている核融合炉の厳しい環境に耐えるために必要とされる構造材料の強度特性をマイクロスケールの試験法によって評価することに成功するとともに、小さなものから大きなものの強度を予測するための要件やモデルを提示することができた。特に金属材料の脆化に関わる第2相や被覆界面のような微細組織要素そのものの強度特性や変形挙動を明らかにした成果は、安全安心に関わる材料の劣化評価技術の高度化に繋がるものであり、マルチマテリアル化が進む様々な産業分野における構造材料の安全性向上に貢献できる技術として発展しうるものである。
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