研究課題/領域番号 |
19H02655
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤井 光 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (80332526)
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研究分担者 |
内田 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (90356577)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 地中熱利用 / シミュレーション / 地下水 / 温暖化対策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,揚水井の近傍で人工的に喚起される地下水流れに着目し,これを活用したエネルギー効率の高い地中熱利用システムの構築を目指す。研究では冷暖房試験を通して揚水による節電効果を定量的に確認し,次に数値シミュレーションにより,揚水量・熱交換井の配置などに関する感度計算を行い,システム設計手法を確立する。さらに,本システムの導入を考慮した地中熱ポテンシャルマップを構築し,温暖化対策への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
秋田平野での冷暖房試験では,冬期揚水に伴う水位低下にかかわらず,暖房COPが地下水流れにより約0.5改善した。数値モデルによる感度計算では揚水レートを増加させると一層の熱交換井性能の向上があったが,改善率は徐々に低下した。同平野でのポテンシャル評価では,揚水井周辺では人工的な地下水流れにより熱交換井長が最大30%削減可能であること,揚水井から3キロ程度離れると揚水の影響がないことが示された。 山形盆地での熱応答試験では秋田平野と同様に揚水量増加に伴って熱交換能力の大きな改善が認められた一方,地盤の不連続性や不均質性により,揚水井と地中熱交換井の距離と熱交換能力改善に明確な相関が見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
揚水井が地盤中に発生させる広範囲な地下水流れをエネルギー効率改善という点からから着目して利用した例は国内外に見られず,本研究成果は学術的意義が高いと考えられる。また,本研究では天然の地下水流れに基づいて構築した地下水流動系モデルと,地域の揚水井の設置状況調査を統合させてGSHPポテンシャルマップを構築するが,これは国内外で例を見ず独自性の高い試みと判断される。 さらに,本研究成果は温暖化対策の切り札と考えられている地中熱利用冷暖房システムの高効率化に寄与し,普及を促進すると判断されるため,本研究は温暖化対策やカーボンニュトラルの達成へに貢献し,社会的意義が大きいと考えられる。
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