研究課題/領域番号 |
19H02665
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2020-2021) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
近藤 徹 東京工業大学, 生命理工学院, 講師 (30452204)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 1分子分光 / 顕微分光 / 生体系の動的挙動と機能の相関 / 光合成 / タンパク質ダイナミクス / 1分子吸収 / 電子移動 / エネルギー移動 / 生体光反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、タンパク質構造が原子分解能で明らかにされ、構造を基にした機能解析が可能になってきた。一方で、生体内の生理環境は刻一刻と変化しており、構造は常に変動している。このようなタンパク質構造ダイナミクスを解析するため、1分子蛍光分光法が発展した。しかし蛍光検出では、非蛍光性の分子・状態・反応中間体は解析できない。そこで本研究では、1分子の吸収分光法を新たに開発し、光合成光反応の光電変換過程を1分子レベルで観測する。タンパク質構造ダイナミクスと反応経路・速度の相関解析から、『構造自由度の高い生体タンパク質のような巨大高分子で、どのように反応の経路・速度が安定化されているのか?』を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本課題では、1分子レベルでの吸収分光解析を達成するために高感度吸収顕微鏡の開発に取り組んだ。通常1分子分光に利用される蛍光検出に比べて吸収検出は難易度が高く、当初はノイズの大きさに悩まされたが、レーザー光源の強度や偏光特性の安定化、光学系の光散乱の軽減化、光学素子の最適化、高感度光検出器の導入、光学系の温度安定化、安定除振台の導入、などの様々な工夫を施した結果、回折限界空間分解能(半波長程度)で OD = ~10^-5程度の微小吸収信号を検出できるようになった。光合成タンパク質である光化学系I(PS I)三量体の1粒子吸収イメージングにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、タンパク質構造が原子分解能で明らかにされ、構造を基にした機能解析が可能になってきた。一方で、生体内の生理環境は刻一刻と変化しており、構造は常に変動している。このようなタンパク質構造ダイナミクスを解析するため、1分子蛍光分光法が発展した。しかし、蛍光検出では非蛍光性の分子・状態・反応中間体は解析できない。そこで、吸収検出をベースにした1分子分光法の開拓が不可欠となる。本研究で開発した高感度吸収顕微技術を発展させることで、従来の蛍光顕微では見えなかった生体光反応の1分子観測が可能となり、生体系の動的挙動の意義の解明に繋がる。
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