研究課題/領域番号 |
19H02671
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 公益財団法人豊田理化学研究所 |
研究代表者 |
西川 恵子 公益財団法人豊田理化学研究所, フェロー事業部門, フェロー (60080470)
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研究分担者 |
桝 飛雄真 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80412394)
森田 剛 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80332633)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 動的ゆらぎ / 相転移 / イオン液体 / 表面融解 / 緩和時間 / 柔粘性結晶 / 回転運動 / 並進運動 / 静的ゆらぎ / 柔粘性イオン結晶 / 核磁気共鳴 / スピン-格子緩和時間 / スピン-スピン緩和時間 / 混合状態 / 溶液 / 超臨界水 / イオン性柔粘性結晶 / rotational disorder / 超高感度熱測定 / ダイナミクス / 相変化 / 超高感度熱量測定 / 同時測定 |
研究開始時の研究の概要 |
研究の概要 相転移によって引き起こされる挙動を動的ゆらぎと位置付け、ミクロ・メゾ・マクロの視点で直接観測し、多角的・複眼的観点から相転移ダイナミクスを議論する。具体的には、比較的遅い相転移を示すイオン液体を試料として、以下の「4つの問い」に解答を与える実験(超高感度熱量測定、Raman散乱と熱量の同時測定、NMRによる緩和時間測定)を行う。 (1) 相転移を引き起こすトリガーは?; (2) 局所的相転移場での熱エネルギーの出入りは?; (3) 相転移時の構成分子やイオンの構造変化は?; (4) 変化の時間スケールは?
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研究成果の概要 |
動的ゆらぎが顕在化する相転移時の種々の現象を、多角的視点で捉える実験法を開発し、いくつかの系に適用した。試料は、比較的遅い相転移で特徴づけられるイオン液体である。 自作の超高感度熱量計とそれと同時測定できるラマン散乱装置を用いて、表面融解とその結晶化を捉えることに成功した。この試料では、構成イオンの立体配座の変化が相転移のトリガーとなっていること、複雑なイオン配置の構造的なストレスを緩和させるために表面融解が起こっていることが明らかになった。柔粘性結晶相を持つ別の試料に対しては、NMRの緩和時間測定を行った。イオンの回転および並進運動がどのように相転移と関わっているかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
相転移時に起こっている様々な現象を実験的に直接捉えることに成功した。感度が良く、掃引時間を転移の速度に合わせることができる装置では、熱測定といえども相変化の詳細を追うことができることを示した。また、イオン液体を試料として相転移現象を観察する場合、NMRの緩和時間が丁度マッチした時間スケールであり、新しい観点での相転移現象を観測した。 試料として取り上げた柔粘性結晶(PC)相を有するイオン液体は、今、固体燃料電池の電解質をしての利用が期待されている。PC相でのイオンのダイナミクスを定量的に測定できることを示すことができたので、実用化を目指す研究者にも有意義な情報を提供できることになる。
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