研究課題/領域番号 |
19H02679
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 中央大学 (2020-2022) 青山学院大学 (2019) |
研究代表者 |
岡島 元 中央大学, 理工学部, 准教授 (20582654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 水 / フローイメージング / マイクロ液滴 / ラマン分光 / ナノアイス / マイクロ流路 / マイウロ液滴 / マイクロリアクター |
研究開始時の研究の概要 |
水は単純な液体ではなく様々な水素結合様式の水分子の混合と考えられている。近年、温度を変えたラマン分光分析によって、水と共存する微細な氷「ナノアイス」のスペクトルが分離された。このような氷の存在は水の密度極大から凍結までを統一的に説明できる可能性がある。本研究では、独自の分析手法「マイクロ液滴ラマンフローイメージング」を構築し、過冷却水のラマンスペクトルを多元的に調べ尽くすことにより、水中に生じるナノアイスがどのような構造をしているか?、どのように形成されるか?、凍結とどう関係しているか?、を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では「マイクロ液滴ラマンフローイメージング」という新規な手法を開発し,水中で生じる水素結合構造の詳細を調べた.開発した手法によりμmオーダーの微小流路内における溶液の温度を正確に測定でき,分子間相互作用の組み替えと平衡化を追跡できることを明らかにした.多変量解析で分離される水のスペクトル成分を調べることで,それらの成分と氷との構造的な関連性を明らかにし,電解質添加による水素結合の乱れを,スペクトル成分の構成が変化することと対応づけて定量的に示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,温度,分子構造,および分子間相互作用を同時に複合的に分析する独自のアプローチを構築し,その有用性を示したことに学術的な意義がある.従来,溶液中の分子間相互作用の組み替えを分単位の分光測定で追跡することは困難であったが,本研究ではフロー系を構築することにより,サブ秒の時間スケールでの変化を追跡できることを示した.これは液体や溶液の構造を分子レベルで理解する上で重要な成果である.加えて,水の液体構造の詳細を混合モデルに基づいて調べる指針を得たことも意義がある.このアプローチはナノアイスの構造や凍結抑止の原理の解明に適用できると考えられ,さらなる応用展開の方向性を示すものである.
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