研究課題/領域番号 |
19H02681
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 公益財団法人豊田理化学研究所 |
研究代表者 |
松本 吉泰 公益財団法人豊田理化学研究所, フェロー事業部門, フェロー (70181790)
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研究分担者 |
渡邊 一也 京都大学, 理学研究科, 教授 (30300718)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 光触媒 / 顕微分光 / 過渡吸収分光 / 光電気化学 / 原子間力顕微鏡 / 電気化学インピーダンス測定 / 助触媒 / 光電流 / 光起電力 / 光強度変調分光 / 水分解 / 反応速度論 / 酸素発生 / 強度光変調分光 / ラマン分光 / 強度変調分光 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な人類社会形成には太陽光照射により水からクリーンな燃料である水素を得ることがきわめて有効であるが、これを目指す光触媒の光変換効率は低く、この向上には不均一水光分解反応機構の本質的な理解が不可欠である。この反応には、「光吸収により生じた電荷により光触媒粒子が分極し、いわば小さな電池となりその表面で電気化学反応を進行させる」という簡便な説明が成されている。しかし、動作中の光触媒において光誘起電位の表面分布と反応速度との相関を解明した例は皆無である。そこで、本研究では、光誘起された電荷、表面電位、反応中間体を空間マッピングし、光誘起電位と反応性の相関から不均一光触媒反応機構の本質を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では,バナジン酸ビスマスを代表的な光触媒とし,水分解による酸素発生反応のマイクロキネティックスを解析することによりその反応機構能を解明することを目的とした.研究方法としては触媒が動作している状況での光誘起正孔濃度と反応速度を同時計測し,電荷と表面反応を同時に扱う反応速度論的解析を行った.一方,光触媒反応は本質的に不均一反応であり,また光触媒表面は複雑な構造をしている.したがって,反応機構のよりミクロな理解を得るために,観測の空間分解能を上げ,正孔や表面誘起電位のマッピングを行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
太陽光照射による水分解は環境に負荷をかけない燃料である水素を得るための有効な手段と考えられている.最近の顕著な異常気象をみても明らかなように,化石燃料使用による炭素エミッションを極力抑制することが地球文明を持続的に継続・発展させるためには必要不可欠であり,かつその開発速度を画期的に上げていかねばならない.しかし,光触媒による反応はきわめて複雑なプロセスが重畳しており,有効な光触媒を開発する上でもその反応機構の詳細を明らかにすることがきわめて重要である.したがって,本研究の成果はこのような社会的な要求に応えるものの一環として意義がある.
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